第488話 スチームパンク
「はぁ、彼は無事宝を見つけて帰って行きましたね……」
ゴミの世界にある宝、それは彼女をそれほどまでに落ち込ませるほどのものだったのだろう。彼女の周りには負のオーラが展開されている。
「そういえば宝は一つだけだったのか? ゴミ捨て場なんだから、他にもまだまだ宝はたくさん眠っているじゃないのか?」
「いやーそうなんですけどー、彼はその中でも一番レアリティの高いものを持って行きましたよ? もちろん最高ランクのものは他にも眠ってますが、それを引き当てるには更に範囲を拡大して尚且つ運ゲーって感じになるので、最大効率で掻っ攫って行きましたよ」
「そ、そうだったのかー」
彼は運も良いということなのだろうか。運も味方にされたらいよいよ手につけられないな。というか、今に始まったことではないか。いつも同じことを言ってる気がする。
「そして、彼はもう次の世界に行ったのか?」
「はい、蒸気の世界に旅立ちました」
「上記の世界? どこに書いてあるんだそれは」
「いやいや、そのくだり彼も案内人とやってましたよ? ってか文字媒体だったら絶対に間違えようないでしょ」
おいっ、メタ発言は禁止だぞ!
「蒸気ってことはスチームってことだよな? ん、水蒸気と蒸気って何が違うんだ? 確か水蒸気は目に見えないものだったよな?」
「蒸気はスチームもありますが、ヴェイパーという訳もあります。そして、今回はヴェイパーの方が近いかもしれません。スチームは水が沸騰して出る際の高温の蒸気のことを指し、ヴェイパーは低温だったり、他の機体が混ざっていても成立するようです」
へー、両方とも単語自体は知っていたが、そういう違いがあったなんてな。
「じゃあ、低温の蒸気が出まくる世界ってことなのか?」
「いや、ヴェイパーはスチームを包含する言葉だと思われるので、ガンガン高温のも出てくるんじゃないですかね? それに、この世界は蒸気の世界というには少し語弊があるような世界ですし……」
「え、そうなのか?」
「はい。まあ、百聞は一見に如かずですよね! さて、着きましたよ〜」
彼女が指し示したモニターには一面真っ白な世界が映っていた。
「ん、これはスチームではないのか?」
「あ、そういえばこんなものもありましたね。これは、いわば外界から自分の世界をまもるための言わば防護壁のようなものですね。ある程度の力がなければこの壁を突破することもできないんです。まあ、彼なら大丈夫でしょうけどね」
その言葉通り、彼は難なくその壁を打ち破り、世界を露わにした。
その世界はサイバーパンクと蒸気のスチームが合わさった、まさにスチームパンクとも呼べる世界であった。
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あー今日は本編更新ないかもー
今日はゲーム一切してないのに、ダラダラしすぎて書けなかった…反省。
P.S. 褒めてね
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