第409話 七つ


「それで、従魔って復活できるんだよな?」


「はい! 死亡時にドロップする心臓を使えば大変ですが転生させることが可能です!」


「ふむ、じゃあなんで彼はこんなにも暴れ狂っているんだ?」


「……そりゃ悲しいものは悲しいんでしょう。なんせ共に戦うというペット以上の関係である従魔に死なれたのですから。それに、彼にとって初めての従魔だったはずです」


「そうか、やっぱり悲しいよな」


「そりゃそうですよ! というか生まれ変わるとは言っても人によっては前と違うと捉える人もいるでしょうしね。私はどちらにせよ彼が暴れることに対して先輩を急いで呼んだのですからね?」


「は、はぁ」


「あ、先輩! そんなことよりもっと大変なことがありますよ!」


 そんなことより、って……まあ、私が勝手に心配して勝手に拍子抜けして勝手にビビってるだけだからな。彼女としては何を言ってるんだという感じなのだろう。


「何があったんだ?」


「はい、彼が怒って暴れたじゃないですか? それまではまだ良かったんですが、彼の怒りは想定よりも大きかったようで、七大罪スキルの一つ、憤怒を獲得してしまったのです!」


「……」


 七大罪スキル、か。これは大変なことになったな。なんせコレはこのゲームで一人のプレイヤーしか獲得できない完全ユニークスキルなのだからな。


 その分強力であるのは間違いないのだが、それがもう既に十分すぎるほど強い彼の手に渡ってしまうとは……


 それに、今回憤怒を獲得してしまったことにより、彼は他の七大罪スキルの獲得に向かうかもしれない。


 そんなに簡単に手に入るとは思えないが、仮に全てのスキルを彼が手に入れてしまうと他のプレイヤーとの差は圧倒的なものとなってしまう。


 そして彼が全てを獲得しなくても、つまり他のプレイヤーが七大罪スキルを獲得した場合、そのプレイヤーはかなりの注目を集めることとなるだろう。


 そして誰がどのスキルを持っているか、ということが判明していけば自ずと憤怒の席が埋まっていることにプレイヤーたちがいずれ気つくかもしれない。


 どちらに転んでも彼が一つ目を入手した時点で分が悪いのだ。


 だがどちらかと一つを選ばなければならないのであれば、私たちは間違いなく後者を選ばねばならないのだろう。


「これは対策が必要になってくるかもしれない。彼に全てのスキルが集結するのは流石によろしくないんじゃないか?」


「んー確かにそうですね。でも個人的には彼が全てのスキルを持っている世界線も見てみたいですけどね」


 まあ確かに個人的興味だけで言ったらそうかもしれないが、それだけの理由でこのゲームを終わらせるわけにはいかない。


「彼に集結させないということは他のプレイヤーにということでもある。選定方法も含めてこれから議論をしていかなければならないな」


「あ、そうだ。じゃあせっかくならこの際七大美徳についても決めちゃいましょうよ!」


「ん?」











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トリポリキレナイカ→カリオストロの城


この映画みたことあるような無いような…

名作ですよね?


カリオーンみたいなの何か無かったでしたっけ?時間がないので諦めちゃいました。

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