第59話《社会人⑥》〈介護とは③〉


介護サービス会社に就職した


市立の老人介護施設から

介護事業サービス会社が

施設の老人介護のお手伝いの委託を受け


とある介護施設に勤務する事となった


体制的に

介護依頼した施設と

介護サービス会社では

施設側の方が立場は上


なるべくお年寄りの残された機能を大切に

お年寄りに出来る事をなるべくして頂く


その理念は分かる


介護を行う上で

時に

お年寄りの抱える問題や

様々な事に強く感情移入をしてしまう人間は

心が苦しくなってしまう事がある


性格的には

さっぱりした人でないと

厳しい現場なのではないか?と思う


しかし


さっぱりというより

人に対しての物言いが

上から目線なのは


どうかと思うのだ


例えば

右手が不自由なお年寄りに対して

入浴介助時に着替をして頂く際


右側の方の手に袖を通し

左肩辺りまで通すお手伝いをして


お年寄りに

ご自分にて左手を袖に通してもらう


その際


『自分でさせて!』


ご自分で服を着られる方には


声かけのみ

見守りで


良い


しかし… 麻痺の残る手で


どのようにして

ご自分で着て頂けば良いというのだ


そんな感じで

色々な事に上から物を言ってくる

そんなタイプの人達が

介護施設側の職員に多くいたのだ


介護サービスの会社職員に対して


きつく当たる


何より許せなかったのは

施設で暮らすお年寄り達への態度だ


皆様も

長袖シャツを着て

長袖の服を着た際に

中に着ているシャツの袖が


くしゃくしゃ


と捲られた状態であったら


とても違和感を感じると思います


少しでも快適に過ごして 頂きたい

不快感を感じないように介助者が

捲れた中のシャツを

手首の所まで伸ばして差し上げる


それを

介助

というのではないか?


『そんな事しなくていいから』


『自分でさせて』


先程と同じ事


不自由な方の手のシャツは

動かせる手で直せても…

患側の手では

もう片方のシャツを下ろす事は出来無いのだ


万事そんな感じ


食事も


靴を履くのも


ほんの少しだけ


お手伝いするのが介護


あなたたちの


お年寄りに対して


『まだ出来ないの?』


『早く食べて』


『早く服着て』


『 何、おむつ外してんの?』


心の無い人に


なぜ

介護という仕事を選んだのですか?


と問いたいです


お年寄りは人生の先輩です


人権を無視したような態度取る事は


到底許されるものではないと思います



自分のイライラを

相手にぶつける事程


みっともなく

愚かな事はありません



納得行かなくて

ある日爆発しました


介護施設側の職員に

反論の言葉を言ってしまいました


介護サービス会社


グビ


という形で辞める事になりました



理不尽な事が

大嫌いな質の性格な為

きっとこんな事を間違っている


という態度が

目障りだったのかもしれません


いつもそれで

人間関係が上手くいかないのですが…


挫折しました


沢山

理不尽な事を言われ

理不尽な事を見て来て


心が折れてしまいました


椎間板ヘルニアを患った事もあり


3ヶ月 休職した後


清掃業の仕事に就く事にしたのです…









  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る