96話 ラブコメ主人公は何故モテる?


直人「え?なんだって?」


衝撃の言葉に、ラブコメ鈍感主人公が至近距離であからさまな好意を言葉にしたにも関わらず聞こえないフリをする様な反応をしてしまった直人



リズ「マスターの見合う武器は

        当分無理なのです」


そんな鈍感系直人の反応に真剣な表情で繰り返し言う。残念ながらリズはラブコメヒロインでは無いので、何でもない!とは言わない。


直人「そ、そんな、、なぜなんだ?」


悲壮感を漂わせながら確実に心的ダメージを負った直人は、それでも微かな望みを求め、リズに問いかける


リズ「理由はいくつかあります。

   まず一つ

 RANK3程度であれば現在所有してる武器を

   丁寧に扱えば問題ありません。

   ですが、

   RANK4以上となりますと、

   武器そのものの

   性能が追い付かないので、

   現在所有の武器は

   破損してしまいます」


これはまぁ、理解出来る、実際昨日の戦闘では三つ目狼程度でも大剣を使う事を躊躇い、直ぐに肉弾戦へと切り替えたのだから


直人「う、うむ、そうだな」



リズ「はい。しかし、

   破壊しない武器の運用方法の一つに

   【武器強化】の魔法や気功技能など

   がありますが、残念ながらどちらも

   現在学ぶ術がありません」


あ、あれか、武器に魔力を纏わせて強度を上げるとか武器自体に魔力を注ぎ込むヤツとかの事か、、知らんけど


リズ「二つ目に

   【魔装】の様な技能を作らないのか?

   と言う疑問があると思いますが、

   二つ目を持った場合、

   過剰技能取得によるステータスに

   制限が掛かると予想されます。

   なので、

   魔石を使った複数の

   特殊技能を持つより

   【魔装】能力を解放していくのが

   最も最善だと思います」


小さい体が何倍にも大きく見える。

そんな錯覚を起こす様な迫力あるオーラを纏いながら有無を言わせないリズの姿からは


わかるだろ?兄ちゃん?と何処ぞの裏社会の大人から理解を要求された様な圧倒的なものをか感じた直人は先程の熱い思いは、どこかに飛んで行ってしまった。


直人「あ、はい、そうなんですね、、、

        わかりましたです、はい」


チーンと背後で効果音が鳴る様に肩を落とし、落ち込む直人



リズ「申し訳ありませんマスター、、

   今すぐには無理ではありますが、

   マスターの成長速度を考慮致しますと

   遠くない日にマスターに相応わしい

   武器を手にする日が来ると思います」


背後に纏ったオーラを霧散し、優しげな表情で、励ますリズ


直人「あ、あぁ、ありがとう、、そうだな

  【魔装】を折角用意して貰ったんだから

 それで十分だよな!装備の破損を気にせず

 動けるようになったし!

これでやっと戦闘に集中出来るってもんだよな!」


ステータスを確認した時に下着を求めていた事を思い出し、リズの頑張りを称賛しつつ

気持ちを切り替えテンションを上げる為、声を張り上げる。


直人「よし!じゃぁ、

   早速朝飯食ったら残りのボスで

 【魔装】の着心地確かめに行きますか!」



リズ「はい!マスター!」


と何処かほっとした様な笑顔で返事をする。


そんな表情をしたリズの返事を聞いてさっきまでの調子に乗った自分を誤魔化す様に、次の行動を開始した。



その後、直人は【魔装】を装備したまま、朝食取り、いつもの様にラグジュアリースモークを吸いながらゆっくり寛いでいた。


直人「なぁ、

   今日相手するボスはどんな奴なんだ?

   RANK4だから大丈夫だと思うけど、

   モンスターも強くなってるから

   知っときたいんだけど、、分かる?」


イレギュラーダンジョン(勝手に命名)の為、前情報はあまり期待出来ないものの、取り敢えず聞いてみる直人

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