幽霊は迎えに行く

綺麗に甦る

その笑顔、その声、その体

強い日差しの中

消えそうな、消えそうな蜃気楼の中

どうしてギラギラと眩しいのだろう

再生される脳内ビデオに

だんだん靄がでてくる

消えて、消えていく

君は誰だっけ

あの眩しさだけ覚えている

手も足も声も声も顔も

悲痛に歪み

一瞬の煌きが脳内を埋め尽くす

君の名前だけが残る

覚えているのが供養だとか

そんなこと言われても

もう顔も声も忘れて

眩しさだけさ

消してほしいのは自分だけ悲痛に泣いて

泣くのは何故なのか教えてほしい

全て知っているのに

救われる日がくるとブラウン管が反響するけれども

忘れられない名前と光

事実だけが雪のようなひらひら舞って

現実味がない

足元の氷さえ解ける様子はないようで

きっときっときっと

心が凍ったのだろう

上に土を盛って終わる光の中

光の影

いつでも、いつでも、いつでも

迎えに来いよ、知らないアナタ

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