9日目 『僕の姉ちゃん』
彼曰く、うちの姉ちゃんは意地悪だけど、妙にまともだ。
***
『僕の姉ちゃん』
職場の人に勧められて見てみた。
アマプラで先行配信。
テレビはあるけど全く見ない私としては、一挙にまとめて見れるのはありがたい。
ビバ、配信時代。
”僕”と”僕の姉”による、つかの間の二人暮らしの記録。
ベテランOL・白井ちはるを演じる黒木華と、新米サラリーマン・白井順平を演じる杉野遥亮のかけあいが楽しい作品。
特別なことは何もないけど、何でもない日常で繰り広げられるごくごく普通の兄弟の会話。
仕事を終えて、おのおの好きなものを食べながらお酒を飲んでいれば、ポロリとこぼれる何気ない会話。
恋愛、仕事、趣味、人生について。
弟の真剣な悩みについて、のらりくらりと答える姉。
ふざけているようで、実はまっとうな意見を伝えている姉に、毎度拍子抜けしてしまう弟。
張り詰めた空気が一気に和らぐような、優しさと安心感に満ちたお話。
どんな感じかなーっと思いながら流し見したけれど、案外面白かった。
「女が言っている言葉に、計算されていない言葉はないのよ」
「安心しな、弟よ。あんたはすでに出世しておる。生まれた時点で、社長みたいなもんよ」
「人は未来に約束が欲しいのよ。この通りにやれば自分にも絶対にできると思える何かがあると安心じゃない?そういうことを実感するために読むわけよ。ダイエットの本も、収納本も、あんたが読んでる勉強の本も、いわば『癒し本』だわな」
兄妹だからこそできるぶっちゃけトーク。
建前ばかりの同期との会話とは違い、本音が見え隠れするまったりとした寝る前の家族の時間。
一人暮らしの長い私にとっては、すっかり感じる機会が少なくなってしまった時間。
ほっとする時間って、大事だなぁ。
勧めてくれた人も、多分一人暮らし。
きっとこういう時間を、誰しも求めているんだろうな。
求めていても、なかなか獲得することは出来ないんだろうな。
独り身にはかないそうもない現実、でもいつかは取り戻せるとうれしい理想。
それも結局、踏みださないことには実現しないわけだけど。
思い立って作りたくなったオムライスが上手くいかなくて、仕事帰りに買った料理雑誌で作り方を覚えて、帰って実践して、結果失敗。
そんなどうでもいい失敗談も、仕事での失敗談も、同じようにして語ってくれる。
何気ない会話をしてくれる人が家にいるって、いいなあと思った。
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