25日目 ワクチン2回目2日目
彼曰く、これ赤ペン先生でやったとこだ!
***
ワクチン2回目2日目。
私は絶対熱出さないから!絶対出さないから!
と謎の自信を胸に布団に入った夜。
あの時間の私を見る目が冷たくなる。
人間そんな万能じゃないのよ・・・。
これまでにも私は、意外に自分は丈夫な人間なんじゃないかと思ってました。
クラスで何人もインフルエンザに罹って学級閉鎖になったときにも私は外で元気にバドミントンで遊んでいたし。
弟、妹、母と立て続けに風が流行って、「次は私の番です」と自分に死刑宣告をしていましたがふたを開けてみればピンピンしてました。
母が勝ってきてくれたゼリーを3つも平らげる食欲も、このから健在。
私に向かってくる病原菌がむしろかわいそうに思っていました。
確かに受けに行く前は不安に駆られていろいろと買い込みました。
ウイダーインゼリー、ポカリ、ペットボトルの水を箱で、アマゾンでよくわからん栄養剤を2パック、私の人生の味方の納豆3パックも5個買ってやりました。
正直納豆と米と味噌汁さえ飲んでおけばたいていの風邪は打ち消せる。
ねばねばが全部解決してくれるんです。
絡めてとどめてくれるので、発症という結果までもっていかせない。
私の冷蔵庫には頼もしい仲間が控えてくれているのです。
だから若いころのノリでワクチン接種も受けたあとも鼻高々。
会場から駅までの外回廊を歩いているときに吹き抜ける風が私の気持ちを押し上げてくれていました。
押し上げすぎたんでしょうね。
めっちゃ熱出ました、死ぬる・・・。
ささやかな自慢ですが、社会人になって寝込むほどの発熱は一度だけ。
重度な花粉症からの風邪というコンボはいつものことだったので、大した敵ではありませんでした。
通りすがりに挨拶をするついでに少し機嫌を損ねてしまったくらいのもの。
数日たてば忘れる程度のことです。
でも今回の発熱はそれだけにとどまりそうにありません。
通り過ぎようとしたらなぜか肩を思い切りぶつけられ、その後も難癖付けられて放してくれないような。
一番触れたくない相手の虫の居所が悪いときにあたってしまった時のような気まずさ。
初めて東京に出てきたときにちょいと顔を出してあまりの暗さに腰を引いて避けた新宿の裏路地のようなヤバさの場所に入ってしまったのかもしれません。
この先のステージは未体験ですから、頭が働かないほど発熱するのもうなずけます。
一応休日はもらえるらしいのでいいのですが・・・、いつになったら楽になるのかな~。
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