21日目 『ゴーンガール』
彼曰く、ベン・アフレックの胸板にうずまりたい。
***
『ゴーンガール』
2014年公開のアメリカ映画。
いつものように誕生日プレゼントのちょっとした謎解きから家出して行方不明になる妻を探す夫の話。
綿密に計算された妻とそれに振り回される夫との静かな闘いで見せるミステリースリラー。
公開当時ちょっと話題になっていたのを思い出しました。
「伏線の作りこみがすごい、何よりこんな妻を持ったらストレスでもう別れられない」
ストレス感じるなら別れればいいじゃない?
平坦な人間関係を築いてきた私はそんな風に思っていました。
でも別れることなんてできない、そう仕組まれているのだから。
普段の生活でちょっとした出来心から相手の機嫌を損ねて仲違い、結果的に喧嘩に発展、自然消滅か衝動的に破局に至るカップルはこの世にどれだけあふれているんでしょうね。
私の後輩も、洗濯物をちゃんと干してくれなかったからという理由で別れていました。
洗濯くらい自分でやりなよ・・・。
主人公・ニックの浮気に気付いた妻・エイミー。
二人は毎年誕生日に謎解きゲームをして、そのたびに互いの愛を確かめ合うほどに仲が良かった。
今年も同じように楽しい夜になると思って帰ったところ、妻が消えていた。
家で何かが起きた形跡だけ残して。
突然の失踪に焦燥するニック、警察に助けを求め、義理の両親とともに世間にエイミーを見つけたら教えてほしいと訴える。
しかし彼に突きつけられたのは「エイミーのことを何も知らない」ということだった。
報道が進むたびに悪者扱いされ、謎解きが解けるほどに謎の痕跡が次々と見つかる。
彼女は何故失踪したのか、彼女は何をしたいのか、彼女は何者なのか。
互いに愛を確かめたはずの二人の間に徐々に広がっていく軋轢は、どうしようもなく二人をつなぎとめる歪んだ愛情。
その果てに待つのは、希望か、絶望か。
エイミーが再び見つかったとして、自分は果たして笑って迎えることができるのだろうか―――。
ニック演じるベン・アフレック、やっぱりかっこいいですね。
渋いのに若々しさがあり、”雄”を感じます。
『ザ・コンサルタント』では寡黙な会計士の皮を被った殺し屋を演じ、冷静沈着な仕事人でしたが、今作では妻に振り回される浮気男。
どこかにいそうな感じがして一気に親近感がわきました、さすがです。
終盤にすべてを観念して覚悟を決めた時の顔はとてもかっこよかったですし、ラストの諦めと失望と抵抗の入り混じった何とも言えない表情はギャップがありました。
スタートから一緒になってどういうことか考えていましたが、全然予想もつきませんでした。
エイミーの淡々と計画を実行していく過程が描かれる中盤から後半はだんだんと悪寒に包まれました。
これを愛と呼ぶのか、執着と呼ぶのか。
女の妄執は怖い、今後のおどろおどろしい生活を想うと恐怖しか感じないラストでした。
面白かったですね。
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