第164話「湾からの脱出」

 空を飛んでシレジエ艦隊の旗艦である黒杉軍船までたどり着いた。

 甲板の舳先では、颯爽と潮風に吹かれるドレイク提督の姿が見える。


 陸ではあれほど老いて見えた男が、立派な提督になっている。

 提督帽をかぶり、金ボタンのついた漆黒の提督服に身を包んだドレイクは、往年の黒髭の海賊王たる迫力を取り戻していた。


「おおっ、戻ったか王将!」

「ドレイク提督、ブリタニアン軍の援護に艦砲射撃を」


 甲板に降り立って、さらに攻撃を命じようとする俺にかぶせるようにドレイクが述べた。


「それどころじゃないぜぇ、港の外をよく見ろ。無敵艦隊がおいでなすったようだ」

「えっ……本当かよ、いくらなんでもタイミング良すぎだろ!」


 ドレイクが指差す先に、無数の大艦隊が姿を現していた。

 双眼鏡で眺めると、カスティリアの赤地に金の横線が入っている、血と金の旗が翻っているのが見える。正面に五隻のガレオン船を並べてきているし、本当に無敵艦隊だ。


 最悪のタイミングで出てきてくれるな。

 このままだと、湾の内から外から挟み撃ちにされるじゃないか。


「へへっ……海賊はみんな、あのカスティリアの旗ぁを見ると、震え上がるんだぜぇ」


 双眼鏡を貸してやって、ドレイクにも敵の艦隊を見せてやるとガタガタと木製の義足を震わせていた。

 ドレイクは無理矢理にでも笑って見せているが、頬が強張っている。


 そりゃそうだろうな、ドレイクはかつて自分の艦隊を全滅させられて、自身も再起が不可能なほどに傷つけられたのだから。

 ドレイク、勝てばいいのだ。勝てば、敗北の悪夢などに悩まされることもなくなる。


「それにしても、敵は準備が良すぎだな。もしかしたら謀られてたか?」


 無敵艦隊が来なければ、港の船を叩き潰してやったあとで、使えそうな船は拿捕して艦隊を増やすなんてこともできたかもしれない。

 ブリタニアン軍を艦砲射撃で援護してやることもできなくなったのも残念だ。


「こっちの動きが読まれていたとは思いたくねぇけどな。こっちに舵を向けたのは偶然か、それともこちらの動きを予測して網を張っていたのか。どっちにしても、ここいらが潮時だ。このままだと挟み撃ちにされる」


 敵艦隊を司令している奴が、どの程度の提督かは分からないから用心すべきか。

 海の上では、偵察も陸のようにはいかないはずなのだが。本当に、こちらのグレーズ湾強襲作戦を察知して、それに合わせて挟み撃ちを狙ったとしたら、相当な戦術家だ。


「港の封鎖の方はどうだ」

「八分ってとこだな、どっちにしろここまで派手に敵の船を沈めておけば、整備が終わるまで港は使えなくなる」


 こちらの全力砲撃で、港に停泊していたカスティリアの輸送船三十隻は、そのほとんどが沈没している。

 軍船も、小さいガレー船やコッグ船は大砲の弾を一撃食らっただけで撃沈しているし、キャラック級やガレオン級の大型帆船にしても、砲撃を受けていない船はない。


 港で沈んでいない軍船は、こちらに向けて出港しようとしているが、船の中で焼けただれた鉄の弾がたくさん暴れまわっているのだろう。混乱していて、出撃どころではないと見える。

 撤退するなら、敵艦隊が強襲で混乱している今のうちだ。


「よしじゃあ、挟み撃ちにされる前に逃げるぞ!」

「王将よぉ、こういうときはさぁ、逃げろじゃなくて。突破しろって命じてくれよ」


 そう言って、ドレイクは歯をむき出しにして凶暴に笑う。まだ足は震えていても、この傷ついた男が、なけなしの勇気を奮い起こしているのだ。

 いい度胸じゃねえか。そうでなくてはいかんよな。


「ではドレイク提督、敵の囲みを突破しろ!」

「ヨーソロー!」


 五隻のガレオン船を先頭に立てた無敵艦隊は、ざっと見ただけで二百隻近い数だ。こちらは、小型のガレー船まで含めて十六隻の小勢。

 しかも潮は上げ潮で、敵がやや有利。帆船を動かす頼みの風は、ブリテイン大島を沿うように北向きに吹いていて、どちらの味方でもなかった。ここで潮風が敵に回らないだけ、御の字といえるか。


 大きく帆を張って、吹き付ける南風に流されつつ向かい合う艦隊。

 数を誇る敵は、船団を大きく広げて海上に鶴翼の陣を敷いて包囲しようとするが、それは下策であろう。こちらには、強い突破力を持つ大砲がある。


「マジックアームストロング砲、まず敵の土手っ腹に一発撃ち込んでやれ!」


 ドレイクが声を震わせるとほぼ同時に、敵の中央に向けて超大砲が斉射された。

 バシュッと空気を震わせて水を切りながら、飛来していく大きな鉄球は正面のガレオン船を撃ちぬいて、回りの小舟を巻き込んで大きな水柱を立てた。


 水柱に巻き込まれた船は、海の藻屑である。

 その周りの小舟も、波の煽りを受けて転覆するものもあった。とんでも無い威力に、度肝を抜かれた無敵艦隊の動揺が伝わってくるかのようだ。


「圧倒的だな提督」

「おうよぉ、これで負けたら今度こそおらぁ首をくくるぜぇ」


 続いて、錐のような鋭い陣形で進むシレジエ艦隊から、通常の大砲が火を噴いた。ここまでは一方的な展開。

 さすがに敵の大型船は一撃では沈まないが、確実に痛打を与えている。敵も必死になって矢を放ってくるがまだ届かない。


 圧倒的だな我が軍はと高をくくっていると、先頭に立った敵のガレオン船が、舳先に大型弩バリスタを並べて出してきた。

 据え置き式の攻城兵器を、軍船に使うのか。


 シュッと音を立てて、投槍ほどの大きさのでっかい矢が次々と飛来する。


「この飛距離でもう届くのかよ!」


 俺が知っている大型弩バリスタは、最大飛距離でもせいぜい五百メートル。しかし、カスティリアのそれは一キロ近い飛距離を出してくる。

 しかも、鋼鉄のやじりがついた丸太のように巨大な矢は、遠距離を飛んでなお十分な威力を持っている。


 ガツンと黒杉軍艦の側面にぶち当たるが、瞬速で飛来する巨大な矢ですら、鋼鉄よりも硬い黒杉の装甲の前には弾かれるしかなかった。

 大丈夫だとは分かっていても、次々と飛来する巨大な矢には焦らされる。


「ひやひやさせてくれる」

「まっ、無敵艦隊を相手にするんだ。この程度の攻撃は覚悟のうえってやつよぉ」


 これが先進国家カスティリアの技術力ということか。

 たとえ改良型の大型弩バリスタでも、飛距離は大砲の半分にも届かないが、肉薄されれば威力はある。このまま放置すれば、こちらにも被害が出るだろう。


「後続の船が狙われると不味い。大型弩バリスタだけでも潰しておく!」

「王将、どうするんで」


 俺は船べりまで行くと、魔法銃ライフルの狙いを定めて、正面のガレオン船からせり出している大型弩を撃ちぬいた。続けて三発。

 改良型とはいえ所詮は弩、弦を断ち切れば無効化できる。弾が鼻先をかすめて、腰を抜かして逃げていく狙撃兵が見える。


 この調子で大型弩バリスタをドンドン潰していってやろう。

 俺が、弾が切れるまで撃ちまくってるとドレイクが口笛を吹いた。


「ヒュ~、やるじゃねえか王将!」

「この程度はな。大型弩は目立つ的だ。前に出せば、狙ってくれと言ってるようなものだろ」


 大型弩はそれで潰せばいいが、魔法銃ライフルには弾に限度があるから、敵の船に大量に乗り込んでいる長弓隊を全員撃ち殺す訳にはいかない。

 敵の長弓兵の射撃に、こちらからも銃士隊が応射しているが、殺しても殺しても湧いてくる。カスティリア海軍は、兵の数がやたら多いので切りが無い。


 ビュンビュン空気を切り裂いて飛来する矢は、ほとんどが船の上に並べた厚い木の板でできた盾板によって防がれる。だが、矢は放物線を描いて飛ぶので船の中に飛び込んでくるものもある。

 ドレイク提督も声をからして叫びながら、片手に黒い大盾を持って器用に矢を受けている。


 俺は、先ほど敵から奪った氷雪の剣を振るって、飛んできた矢を跳ね除けた。

 この程度は他愛もないが、飛びかかる矢に火が付いたものが混ざっているのはマズイ。矢の先に油を染み込ませた布が巻かれて、それらに火を付けてあるようだ。俺は、甲板に燃え広がる前に、転がった火矢をブーツで踏みつけて消す。


「燃やされるのは厄介だなドレイク」

「火攻めは、海戦の基本だぜ王将。こんなもんは、消しゃあいいんだよぉ!」


 この程度で驚くなということなのだろう。ドレイクの指示に船員たちも落ち着いて、燃え上がる火矢に濡れ布をかぶせて消している。

 大丈夫そうだな。矢が届くほど接近してくれれば、船がこちらの砲撃の餌食になるだけなのだから少し耐えるだけで済む。


 やはり大砲の威力が大きく、強引に接舷しての格闘戦を狙っていた敵は動きを変えた。戦の趨勢すうせいがこちらに傾いたと思ったその時。

 敵の大船団がさっと開くと、内側から激しく炎上した船が姿を現して、こちらに突っ込んでくる。どうやら、船の中に満載した藁に火を付けて炎上させているらしい。


「ドレイク、なんだあの燃える船は!」

「王将、ありゃ火船だ。わざと船を燃やして突っ込ませ、こっちの船を道連れにするんだよ」


「なんだそれ、そんな特攻攻撃ってありかよ」


 帆船の時代にも、特攻兵器が存在したのか。聞けば、可燃物を満載して潮流の上から放流し、敵艦隊に体当りさせるそうだ。風だけでなく、湾へと流れる上げ潮まで計算して火船を準備していたのか。敵の提督も、相当な戦巧者である。

 確かに木造の船があんなのに飛び込まれたら、巻き込まれて一緒に炎上しちゃうよな。


「なあ王将さんよぉ、この黒杉軍船は燃えねぇんだったよな」


 陣頭指揮を取っているドレイクは振り向いた。

 この状況で楽しそうに笑っている、悪党の顔だ。さすが海賊の親分だっただけのことはある。俺も悪い笑みで返した。


「フハハッ、もちろんだともドレイク。黒杉軍船の装甲は絶対燃えない。そのまま征け!」

「ヨーソロー、そのまま突っ込んで、火船を全部蹴散らしちまおうぜぇぇ」


 黒杉軍船に特攻してくる火船、その数は小舟まで含めると二十艘そう

 贅沢にも、小型のガレー船だけではなく中型のコッグ船まで燃やしてやがる。本来なら、ガレオン船ですら燃やし尽くす火船の特攻だが黒杉軍船には通用しなかった。


 そのまま鉄よりも硬い黒杉軍船がガコッと激しい音を立ててぶち当たると、次々と何の効果もなく火船の船体がひしゃげて沈没していく。

 海の藻屑と消える火船だったが、燃え盛る火焔と燭煙しょくえんは凄まじく、船頭から見下ろした俺の顔にまで熱風が吹き上がってくる。


「この炎の勢いと煙の酷い匂い、油までかけて燃やしてるのか。確実に撃ち落としていけよ。黒杉軍船はともかく、後続の船に接舷されたらひとたまりもないぞ」

「大丈夫だ。この距離なら、撃ち漏らすことはまずねえよ」


 砲撃に晒され、格闘戦に持ち込むことができなかった無敵艦隊にとって、火船による特攻が切り札であったのだろう。

 砲撃の集中で火船団が全滅すると、無敵艦隊は左右に分かれて道を開けた。


「よし、このまま砲撃しまくりながら突っ切ろう」

「ヨーソロー。ハハハッ、こんなに気分がいい日は生まれて初めてだぜぇ」


 無敵艦隊の横陣を突っ切りながらも、左右に砲撃の雨を振らせて被害を拡大させつつ、そのままシレジエ艦隊は難なく中央を突破した。

 大型弩バリスタや弓矢による攻撃を受けかなりの痛手を負ったものの、航行に支障のあるほど破壊された船は一隻もなかった。

 敵艦隊が、先頭に立った黒杉軍船への攻撃に固執してくれたことが、何よりも幸運だったといえる。


「どうだ、追いかけてくるか」

「こねえぇ、怖気づいたのか。ざまあねえあぁぁ、カスティリアのアホウどもぉぉ!」


 ドレイクは松葉杖を振り回して大喜びだった。高笑いして、ひっくり返ってもまだ爆笑してた。

 そりゃそうだろう、彼にとっては積年の恨みを晴らせたのだから。


「カアラ、最後の一発をかましてやれ」

「はいっ!」


 最後の極めつけに魔法力を振り絞ったカアラが両手を掲げて、得意のメテオストライクを仕掛ける。

 空が黒く染まり、宇宙から圧倒的な力を持つ流星群が、敵艦隊に降り注ぐ……はずが、降り注ぐ隕石が少ない。


 そして撃ち落とされた隕石も、ほとんどが魔法障壁に弾かれてしまう。

 小舟が高波にさらわれていくつか沈んだだけ。


「ふむ、敵は上級魔術師の二人を乗せてたんだな」

「申し訳ございません国父様」


「いやいい、カアラの責任ではない。戦闘に上級魔術師を出さなかったのだから、あらかじめメテオストライクが来ると見て、全力でディスペル・マジックに力を注いでいた……ということだな」

「そのようですね。無敵艦隊全体に強い魔法抵抗力を感じました。ニコラ宰相が使うレベルの無効化能力です」


 おそらく無敵艦隊のガレオン船のどれかに乗っていたレブナントは、セレスティナとともに、今回はディスペル・マジックに専念していたということなのだろう。

 あの王都の戦いで、ニコラ宰相が使ってみせた魔法無効化領域の戦術的価値を理解して、その地味だが効果的な技を実戦で真似してみせた。やはり手強い敵となっている。


「まあいいさ、これだけでもたいした戦果だ」


 無敵艦隊を完全撃破したとは言えないが、敵のガレオン船を含めて四十隻は優に落とせたであろう。

 先にグレーズ湾で被害を与えた敵の輸送船と軍船を含めれば、その戦果は七十隻を超える。


 停泊する無防備な艦隊の強襲に成功したのち、無敵艦隊を真っ二つに割っての堂々たる中央突破。たった一隻の黒杉軍船と十五隻の艦隊で、その偉業をやりのけたのだ。

 凄まじい大勝利であったといえる。


 意気揚々と進む我々は、補給をするために母港のスケベニンゲンへと寄港した。


     ※※※


「ドレイク……」

「ありゃ燃えてるな」


 スケベニンゲンの港に戻ると、港湾の建物の一部が煙を上げていた。

 さすがに火は消し止められているが、つい先程襲われた感じの傷跡が残っている。


「なるほど、ドレイクの予想通りだったわけか」

「さっき行き過ぎた無敵艦隊は、おそらくここを襲ったあとだったんだろうなぁ」


 スケベニンゲンの港に寄港すると、港の防衛を担当していたフィリップ海兵隊指揮官コモドーから報告を受ける。

 ドレイクの予想通り、カスティリアの無敵艦隊は、スケベニンゲンの港を強襲したそうだ。


 シレジエの艦隊の航路と、ちょうど行き違いになったのだ。

 帆船による戦争はこれがあるから怖い。どれほど警戒していても、強力な船を持っていても、大海で行き違って気づかずに後背の港を襲われることがある。


 一度は、敵軍に上陸を許したものの、街の守護兵と住人が海兵隊に協力して必死に防衛戦を行い、大砲で撃ちかかって激しく抵抗したことで、敵は強襲を諦めて港から離れていったそうだ。

 兵士による放火と火矢を受けて港湾施設の一部を燃やされたが、ほとんどの施設と造船所は無事だったのは不幸中の幸いであった。


「カスティリアに勝利したら、たっぷり賠償金を請求してやる」


 トランシュバニア公国を戦争に巻き込む形になってしまった。スケベニンゲンの港に損害を与えた分は、こっちも弁償しないといけないからな。

 何にせよ、早急に無敵艦隊に勝つことである。そうでないと、こちらの港湾と海上輸送は危険に晒され続けることになる。


「ドレイク提督の進言で助かったよ」

「ああいいさ、こっちはたっぷりと憎いカスティリアに借りを返してやれたしなぁ。それでどうするんだ、海賊を味方につけるって作戦は」


「それだがな……」

「おれも、昔の伝手を使って海賊には渡りを付けてやってるんだがな。なにせ、おれも時代遅れの男だ。俺が北海の支配者だったのも、六年も前のことで今は別のやつが取りまとめてるらしいからな」


「なあドレイク提督、海賊の巣窟ってのはどこにあるんだ」

「んっ、それは海賊砦バッカーニアーズ・フォートのことを言ってるのか」


「そうだ、その砦に直接乗り込めば話が早かろう」

「伝手もなしにいきなり行っては、命がいくつあっても足りない場所なんだが、王将の場合はいまさらか」


 ドレイクは、相好を崩してカカッと乾いた笑い声を上げた。


「一刻も早く、カスティリアの無敵艦隊を海の藻屑にしてやらなきゃな。そしてカスティリアに乗り込んでいって……」

「焦るな王将、俺も出来る限りのことはする。ほら、船も修理せにゃならんとジャン提督が言ってるぞ」


 黒杉軍艦の外壁には傷ひとつ付いていないが、他の船は沈みはしなかったものの激しい痛みがある。

 また大砲も、いくつか破損してしまった。マジックアームストロング砲は、まだ技術的に不安定な兵器だ。使うたびによく清掃して補修しなければ、砲身の中で鉛が融解してしまって使い物にならなくなる。


 補給と応急修理に、少なくとも数日かかるそうだ。

 気ばかり急くが、おそらくカスティリアの無敵艦隊も似たような損害を出して沈没船だらけで封鎖されたグレーズの港に寄港することもできずに行き詰っていることだろう。


 状況はこちらのほうが有利に進んでいる。

 そう考えて、落ち着くしか無いか。


「なあ、勇者。おなか減ったのだゾ」


 アレがそう訴えてくるので、俺は苦笑する。

 アレは、さっきから船の保存食である堅焼きのパンをバリバリ齧っていたのだが、こんなものでは腹の足しにならないらしい。


 アレは戦闘するとカロリー消費が激しいらしいから、食いしん坊と言ってやるのは可哀想だな。

 なんだか気が抜けたら腹が減った。俺だって、何も食べてないから。


「よし、もっと美味いものを食わせてやろう」


 船もそうだが、傷つき疲れきった船員にも休息が必要だった。

 アレが、それを思い出させてくれたのだから、ありがたいと思っておくことにする。

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