玻璃色の世界のアリスベル
朝我桜(あさがおー)
あらすじ
高校生1年の夏、種ケ島で初出場が懸かった県大会決勝で1年生ながら野球部のエースの鷹野宙人は、最後の一球を投げた。だがその時彼を肘の激痛が襲う。
マウンドへと倒れる宙人を他所に、球場は突如空へ現れた惑星スペクリムに大騒する。
肘の怪我で二度と野球ができなくなった宙人を、チームメイトたちは同情する訳でもなく、彼のせいで負け甲子園出場を逃したを責め、宙人は追われるように野球部をやめた。
以後、宙人は世間から責めるような眼差しに晒され心を壊していく。
高校2年の終業式を終えたある日、バイト先へ向かう途中、一人海岸でずぶ濡れになった女子生徒、鏡宮アリスから声を掛けられ、怖くなった宙人は逃げるように立ち去る。
その日バイトが終わったのを見計らったようにやってきた幼馴染二人、省吾と愛花に話があると言われ聞いてみると野球部へマネージャーとして戻ってきて欲しいという話だった。
そっとしておいてほしいのにも関わらず強引に説得する幼馴染たちに、嫌気が差した宙人は耐えきれずに逃げ出してしまう。
帰宅後に追い打ちをかけるように送られてきた愛花のメッセージをきっかけには自殺を決意した宙人は翌日、旧種子島空港跡の格納庫に忍び込み、宙人は首を吊る。
だがそんな彼に不運が襲う。台を踏み外し圧迫箇所がずれたことで、宙人は酷い苦しみを受けることになってしまった。
意識の途切れ際、偶然居合わせたアリスにより救助され宙人は、彼女の自宅で目覚め、死にきれなかったことへの苛立ちからか、介抱してくれたアリスに心無い言葉を浴びせてしまう。
だがそんな彼にアリスは優しい言葉を送る。それは彼女もかつて自殺未遂を犯し、宙人の事を理解できたからだった。
アリスの過去と正体を知った宙人は、アリスから誘われ、彼女と共に異世界スペクリムへと向かう。
宙人は見たことも無い絶景、そしてアリスと触れ合うにつれ、次第に生きる意欲を取り戻していく。
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