KADOKAWAラノベ横断企画 スペシャルSSでおうち時間を楽しもう!
角川スニーカー文庫
俺の脳内選択肢が、学園ラブコメを全力で邪魔している/春日部タケル
俺の脳内選択肢が、学園ラブコメを全力で邪魔している~面白い事編~
ふらの 「早速だけど甘草君、何か面白い事やって頂戴」
奏 「いや、いきなり無茶振りにも程があるだろ……」
ふらの 「今、世の中には笑いや楽しさが必要なの。大丈夫よ、とりあえず雑にチン○でも出しておけばウケるから」
奏 「この掌編が公開禁止になるわ!」
ふらの 「イラストが無いから別に大丈夫よ」
奏 「いや、真顔でそんなメタ的な事言われても……そもそも安易な下ネタで笑いを取ろうなんて、そんなに甘くないだろ」
ふらの 「そんな事はないわ。生で見ている私はそのサイズに(笑)ってなるもの」
奏 「毎度毎度ちっちゃいって決めつけるんじゃねえよ!」
謳歌 「あはは! なんか奏っちが面白い事やってくれるってきいたから来たよ~」
奏 「いや、お前もなんでそんなハードル上げる入り方してくるんだよ……」
謳歌 「ねえねえ知ってる? 文章で笑いをとるのって、感動させたりするのより遥かに難しいんだって。そんな中でギャグ作品の主人公を十三冊分も務めた奏っちなら、さぞかし楽しませてくれそうだね」
奏 「いや、だからハードル……というか、のうコメはギャグじゃなくてラブコ メ作品だぞ」
謳歌 「あはははははははははははははは!」
奏 「そこ笑うとこじゃねえよ!」
謳歌 「ごめんごめん……でもそう思ってるの多分、奏っちと書いてる人だけだよ」
奏 「マジかよ!?」
ショコラ 「あれ? なんだか皆さんでたのしそーなふん囲気ですね」
奏 「おおショコラ、丁度いい所に。のうコメは立派なラブコメ作品だよな? その……俺とお前は付き合ってる訳だし」
ショコラ 「え? なんのお話ですか? わたし、さっき会ったばっかりの方とおつきあいするのはさすがにちょっと……」
奏 「なんでお前だけ一巻冒頭の設定なんだよ! 時系列おかしいだろ!」
ショコラ 「じょーだんです。で、なんのお話でしたっけ? ああ、そうです。のうコメがシュールかベタかというぎろんでしたね」
奏 「なんでギャグっていう前提での二択なんだよ!」
選択肢 「呼んだ?」
奏 「呼んでねえよ! てかなんで普通に会話に参加してんだ! 自由すぎるだろ!」
【選べ ①チン○を出す ②出さない】
奏 「そしてそのまま平常運行するんじゃねえよ! 出す訳ねえだろ! ②だ②!」
ふらの 「はあ……甘草君には失望したわ。どこまでお約束が分かっていないのかしら」
奏 「いや、無茶言うなよ……」
ふらの 「甘草君が①さえ選んでいれば、脱ぐというベタな笑いに加えて、放送禁止なそのチン○をベタで真っ黒に塗り潰される、というシュールな笑いも生まれていたのに」
奏 「ちょっと何言ってるか分かりませんけど!」
謳歌 「でもちゃんと回避できるようにしてくれてるあたり、選択肢さんも大分優しくなったんじゃない?」
奏 「いや、そもそも出てきてる時点で全然優しくな――ん? なんで俺の頭の中にだけ浮かんできてるはずの選択肢の内容を、ふらのも謳歌も把握してるんだ?」
謳歌 「あはは! 掌編なんだから、そういう細かい事気にしちゃ駄目駄目」
奏 「まあたしかに、いちいち理由付けするのに行数使う訳にもいかないしな……細かい所は大目に見てもらうとするか」
謳歌 「そうそう。って事で今回は選択肢の内容、私達が決めていいんだって。偉いひとー。次はあたしが考えたやつでお願いしまーす」
奏 「なんだその微塵も細かくない改変は! 最早根本から設定崩壊してるじゃねえか!」
ふらの 「ちなみにさっきのを考えたのは私よ」
奏 「でしょうね!」
ふらの 「ちなみに本来②は、『ア○顔でチン○を出す』だったのだけど、どうやら通らなかったらしいわ」
奏 「選択肢にNG出されるとかどんだけだよお前!」
【選べ ①オナラで空を飛ぶ ②オナラで奈良の空を飛ぶ】
奏 「謳歌テメエエエエエエッ!」
謳歌 「あはは! まさかほんとにそのまま採用されるとは思わなかったよ」
奏 (ぐっ……経緯はどうであれ、出てしまった選択肢は選ぶしか…………ない)
ぷっぷっぷっぷっぷっぷっぷっぷっぷっぷっぷっぷっぷっぷっぷっぷっぷっ……
ふらの 「だ、駄目……ほんとに飛んでる……お腹痛い……」
謳歌 「あはははははははは!」
ショコラ 「奏さんごめんなさい……おもしろすぎますっ」
奏 「お前らおぼえてろよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」
ふらの 「さて、甘草君が退場してしまったので、ここからは私達三人で進行し――」
奏 「待てえええい!」
謳歌 「あ、戻ってきた」
奏 「いや、久しぶりの出番なのにオナラで飛んでってフェードアウトとかありえないだろ……」
ショコラ 「奏さん、ざんねんながら、その方がしあわせだったかもしれません」
奏 「え?……そ、そうだ、まだショコラの考えた選択肢があるんだった!」
ショコラ 「ふっふっふ。わたしのきちくな選択肢をとくとあじわうがいいです」
奏 「ご、ごくり……」
ショコラ 「さあ、とびっきりごくあくな内容、かもーんです!」
奏 「や、やめろおおおおおおおおっ!」
【選べ ①猫ちゃんに身体をこしょこしょされる
②猫じゃらしで身体をこしょこしょされる】
奏 「……ん?」
ショコラ 「ふふん、あまりにえげつない内容に、言葉もでないようですね」
奏 (た、助かった! そうだよな、ショコラの性格からして、この程度を考えつくのが精一杯だよな……これなら被害は軽微だ!……本来なら①の所だが、多少は面白さも確保しなきゃいけないから……ここは②だな)
ショコラ 「お、猫じゃらしが出てきましたよ。それでは――」
奏 「う……く……」
ショコラ 「それそれ~」
奏 「く、くすぐったいっ!」
ショコラ 「たのしいです~」
ふらの 「……弱いわね」
謳歌 「うむうむ。そろそろ時間だけど、オチとしてはかなり弱いですな、ふらの先生」
奏 (う……たしかにそれは俺も薄々――)
選択肢 「呼んだ?」
奏 「だから呼んでねえよ! お前が出てくるくらいだったらオチが弱い方がまだまし――」
【選べ ①チン○が猫じゃらしになる ②お尻からオナラではなくチン○が出てくる】
奏 「強すぎるってレベルじゃねーぞ!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます