第5話 特別じゃない

彼女の朝は11時半

一杯のコーヒーと薄いパン

隅から隅まで新聞 読んで

白い錠剤を幾つか飲み込む


ポストでカタンと音がする

郵便は少ない楽しみのひとつ

いつもダイレクトメールばかり

それでも数分の幸せを運ぶ


何が彼女をこうさせた

彼女は決して弱くない

誰が彼女をこうさせた

彼女は特別じゃない





近所の彼は綺麗好き

朝から晩まで掃除機かける

ブラウン管の埃が気になり

可愛い犬の毛が悩みの種


たまには彼も休憩する

ヴィデオは少ない楽しみのひとつ

いつも昨夜のバラエティばかり

それでも ひとときの幸せを映す


何が彼をこうさせた

彼は少し優し過ぎた

誰が彼をこうさせた

彼は特別じゃない

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