第35話

今日は物理実験をしません。


遊園地に来ています。


次に見えてきたのは、池です。


スワンボートと手漕ぎボートが浮いています。


「手漕ぎボートになってみようか。」


「乗ってみよう。」


お客さんは結構多いけれど、池が広いのであまり混雑している感じはしません。


「どうやってて漕ぎボートがうごくかわかる?」


「わかると思う。こぐと作用反作用の法則でボートが動くんだと思う。」


「うん。正解。」


「じゃあ、同時に二人で反対向きにこいだら、動かない?」


「試してみよう。」


せーの、と声がかかる。


「もうちょっと、強く漕いで。」


せーの、


「もうちょっと深めに。」


二人のボートからなみの波紋が広がります。


せーの、せーの、せー、…


時間です。


遠くから係の方の声が聞こえます。


また、ふたりでお越しください。


係りの方はとっても不安そうです。

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