第15話

物理実験をしながら…


「ねえねえ、なんか奥から鍋、出てきた。共振鍋…。」


「すごい、ドラゴンの模様が立体的。」


「どうやって使うんだろう。」


スマホを取り出す。


「水を半分くらい入れて取っ手の部分をこするんだって。中国の占い道具らしいよ。」


「おー。噴水できた。」


「しょぼい。」


「しょぼいね。」


「奥のほうにひっそりとしてたからね。」


「いらないものほどそうなるよね。あー、寄贈品だって。どっかの別の学校からの。捨てられないね。」


「もとあったところにおいとこっか。」


「ねえねえ、もういっこ奥から出てきた。これも寄贈品。昭和…」


「先生たちの目の付くところに置いてみよっか。」

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