詩
書架
海底譚
頁を喰み 文を啜り
言を血肉に変えていく
よく食べ よく飲み よく吸い込み
己を同化させていく
やがて単行本を一冊抱え
本の大海に沈みゆく
ちっとも苦しくも塩辛くもない
果てない言葉に沈みゆく
もうすこししたら上がりますから
今は溺れさせてください
心配は要りません
ちゃんとそちらに戻りますから
あるいは いっしょに
やっぱり なんでもありません
でも もうすこしだけ揺蕩わせてください
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