第4話

生徒たちは、めいめいに、すこしのピリピリを漂わせながら、テストに励んでる。


先生は、もうだいぶ、おちついたみたい。「ありがとう」が、顔に出てきた。


大人だなぁ。


先に生まれた、とは、よく言ったもの。


長く、じぶんを生きてるのだもの。じぶんのきもちを眺めるのが、うまい。


何者かに祈る心地の「ありがとう」を纏った先生は、とても慈悲深くて。


テストに励んだり、ゆるやかに意識を教室の外に抜け出している、生徒たちのこと、見つめてる。


「はい、終了~」


時計を見るでもなく、テストの終わりを告げる先生。


ゆるやかに、たおやかに。


生徒たちも、それを合図に、順々に答案用紙を集めてる。

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