老兵は死なず
バルド達は遂にSCP-1968 世界を包む逆因果の円環が有る場所までやって来た。
そこは山だった、 そこに重厚な扉が備え付けられていた。
「・・・・・禁じられた山を思い出しますよ」
スシブレードの知識を得た山の事を想起するバルド。
守備をしていた部隊から敬礼を持って迎えられる。
重厚な鉄の扉が開かれる。
「じゃあ行くぞ、 バルド・・・!!」
しゃきんと剣を抜く近衛。
「如何やら我々はここまでの様だ、 先に行け!!」
「な、 何を・・・O5-1」
バルドは直ぐに察知した、 闇がすぐそこまで来ている。
「僕も戦います!!」
「否!! ここは私が残ろう」
O5-1が言い切った。
「しかし貴方では闇に勝てません!!」
「分かっている、 しかしお前の目的は勝つ事では無く希望を先に繋ぐ事!!
人類に必要なのは勝利では無い!! 生き続け戦い続ける事だ!!」
「だけど!!」
「議論の余地は無し!!」
近衛二名がバルドとレーアの二人を扉の中に押し込めた。
「な、 何を!!」
「門を閉めろ!!」
「ここは我々が殿を務めよう、 ここは私に任せて先に行け!!」
重厚な門が閉じられる。
「一度は言って見たかった台詞だ、 言えて満足だよ」
ふっ、 と笑うO5-1。
「まさか財団の問題児と呼ばれた私がこんな状況に追い込まれるとは・・・」
「そうでも無いだろう」
警備兵が言葉を紡ぐ、 この場所の警備兵は全て不死の首飾りで
人格がO5-1になっているのだ。
「こうして世界を守る為に長年働いている、 財団の問題児の名は返上したも同然だ」
「そうだな・・・後は大人として未来を子供達を託すとするか」
「お、 カッコいい」
「だろぉ」
軽口を叩きながらにこりと笑うO5-1。
「・・・・・来たか」
闇がやって来た。
「俺の目が黒い内はここは通さんぞ!!」
「ふん、 ならば目を白黒させてやろうか!!」
闇がスシブレードを構える。
「・・・ふん、 偉そうな恰好している割に骨が有る様だな」
「ほほう、 褒めて貰って嬉しいね」
O5-1が尚も軽口を叩く。
「寿司を握るのには五感を研ぎ澄まさなければならない」
「ん?」
唐突に話が変わった。
「故に俺の五感は鋭敏なんだ」
「何が言いたい?」
「鼻が利くからな、 分かっているぞ? 匂い消しの香水に紛れた火薬の匂い
自爆するつもりだな? 兵隊達も爆弾を抱えている
特攻上等カミカゼアタックってところか?」
「!!」
爆薬に火を点けて闇に迫るO5-1と警備兵達。
「その意気や良し!!」
大量のスシブレードを放つ闇、 そして・・・
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