楽しい物は楽しい

「強くなりたかった?」

「あぁ、 そうだ」


ピースメイカーの言葉を鸚鵡返しするサイ。


「何故?」

「何故って力が無ければ何も出来ないだろう

家の中でも外でもだ、 それで闇のスシブレーダーになって力を得た

試しにムカつく使用人を皆殺しにして咎めた親父も打っ殺した」

「叔父様を!?」


驚愕するサイ。


「嫌いな奴って大体身近な奴じゃねぇの?

まぁ兎も角だ、 俺は力を思う存分振るって理解出来た事が有る」

「理解出来た事?」

「あぁ、 長年、 俺はお前にたいして疑問を持っていた

『こいつは何で俺をこうも痛めつけるんだろうか?』」

「痛めつけてない・・・剣術の訓練よ・・・」

「骨が折れるまでやるか普通?」

「キチガイですね」

「だろぉー」


部下の声に反応するピースメイカー。


「それでだ、 俺は力を思う存分振るって分かった事が有る」

「・・・・・それは?」

「弱い物イジメって楽しいな、 って事だ」

「は?」


発言の突拍子の無さに驚くサイ。


「弱い物イジメって楽しいな、 って事だ」

「・・・・・つまり?」

「俺はお前みたいな弱い奴をイジメると楽しい

だからスシブレーダーとしてダークネスシ帝国に仕えている」

「・・・それだけ?」

「あぁ」

「そんな理由で・・・」


ギリッ、 と歯軋りとして剣をピースメイカーに向けるサイ。


「そんな理由で私のお母様を殺したのかあああああああああああああ!!」

「うん」


ピースメイカーは鋏から蟹クリームコロッケを射出した。

サイは水平からの突きで蟹クリームコロッケを貫いた。

だが蟹クリームコロッケの熱量に剣が溶解した。


「っ!!」


慌てて剣を離すサイ、 後ろまで吹っ飛んだ剣が溶解し切る音が聞こえた。


「素手になったぞ、 やれ」

「はっ」


ピースメイカーの手下達のスシブレードがサイに襲い掛かる。


「甘い!!」


サイの元にやって来るサンダリ牢獄のスシブレーダー達。


「皆!!」

「雑魚は私達に任せろ!! お前はあの男を!!」

「分かった!!」


カラースプレーの言葉に返してサイは走って行った。


「何だあの痴女は・・・」


カラースプレーの恰好にリアクションをするピースメイカー。


「はあああああああああああああああああああ!!」

「気合い入れれば勝てるとかそんな訳無いだろ、 第一素手で勝てると・・・」


二本目の剣を取り出すサイ。


「あー・・・なるほど、 剣一本だけじゃ駄目だって学習してやがるな

イイよ、 全部の剣を溶かして殺してやろうじゃないか」


にひひと笑うピースメイカーが蟹クリームコロッケを射出したのだった。

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