闇の包丁

「ドラゴンスシについて何か弱点は無いの?」

「ドラゴンスシの弱点はペース配分の下手さ

最初に全力を出すから長期戦が苦手、 と言う事位しかない

後力でゴリ押しするから搦め手には弱い・・・かな?」

「・・・・・一つ聞きたいけどドラゴンスシって本当にドラゴンなの?」

「スシの様にネタをだっこしている以外は普通の白いドラゴンと変わらない」

「・・・」


ドラゴン殺しをやるのか、 と怖気出すサイ。


「怖いにょ?」

「えぇ・・・ドラゴン殺しはやった事が無い・・・」

「なら止めるにょ?」

「いや・・・このままじゃあ駄目なのよ

速く助けを連れて行かなきゃならない・・・だから行く!!」

「ふにゅ・・・じゃあ良い事を教えてあげるにょ」

「良い事?」

「この街の外れに山が有る、 その山にドラゴンスシは住んでいる

でも反対側の外れに泉が有る」

「泉?」

「そうなにょ、 そこは特殊なフィールド・・・

そのフィールドの何処かに闇寿司の親方”闇”の使っていた包丁が有るらしい」

「”闇”の包丁!?」

「にょ、 ”闇”の包丁を無くしたと嘘をついてくすねて

ここに送られた闇のスシブレーダーが居たんだけど彼が死ぬ前に隠したらしい

そしてその”闇”の包丁を中心に泉が構築された」

「その”闇”の包丁があればドラゴンスシにも勝てるの?」

「分からない、 でも何かしらの助けになると思う」

「・・・・・分かった、 行ってみる」


サイは廃屋から出て行った。

そして外れの泉に向かって行ったのだった。







同時刻、 泉に向かって行ったサイを見つけた一人の男が自分のボスの元に向かう。


「ボス!!」

「ん? 何だ?」


ボスの名前はマックス、 『スーパーマーケット』の首魁である。

彼はオレンジのつなぎを着て悠々と食事をしていた。


「新入りの色々嗅ぎまわっている奴が泉に向かいました!!」

「泉に? あの”闇”の包丁があると噂の?」

「えぇ!! 如何しますか!?」

「ふむ・・・・我々闇のスシブレーダーが何人も行って帰って来なかった泉

嗅ぎまわっている奴はスシブレーダーですらない・・・

ひょっとしたら帰って来るかもしれないな・・・」

「”闇”の包丁・・・強大な力を持つと言われる包丁・・・

一体どんな力が有るか分からない代物ですよ!! 奪いますか!?」

「まぁ、 私はこの街で一番の金持ち、 包丁一本位・・・と思うが

”闇”の包丁・・・うーむ・・・」


マックスは考えた、 考えた挙句。


「ふむ・・・じゃあとりあえずそいつが帰って来たら私の所に連れてきたまえ」

「分かりました!!」

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