生きてる聖堂

シャークが連れて来たのは悍ましき冒涜的な建物であった。


「これは・・・人?」

「スシブレーダー達だ、 スシブレーダー達を使って聖堂を立てた」


スシブレーダー達が縫い合わさって建物を形成している

何と言う冒涜!!


「そんな・・・」

「助けて・・・くれ・・・」

「!?」


建物から声が聞こえる。


「これは・・・生きているの?」

「あぁ、 新鮮さが第一だからな」

「・・・・・」


目を伏せるサイ。


「ボス、 新入りを連れて来ました」

「おう」


何人かのスシブレーダー達が聖堂の中に居た。

そこに居たのはケンタウロスの様な半人半馬、 四本腕の巨漢。

14の足と14の腕と7つの頭を持つ何か

そして帽子を被った男だった。


「よぉ、 アンタは何のスシブレーダーだ?」


帽子の男がサイに尋ねる。


「スシブレーダーじゃない」

「はぁ? じゃあ何でここに来たんだ?」

「私はここに助けを求めに来た」

「助けを? どういう事だ?」


サイは事情を説明した、 バルド達がピンチに陥っている事を

戦力が必要な事を。


「つまり、 戦力が欲しくて闇のスシブレーダーの力を借りる為にここに来たと?」

「イカレているね」

「自分でも望みの薄い賭けだとは思っているよ」

「ふん・・・別に協力する必要は無いんだが・・・」

「ここから出たく無いの?」

「出る必要は無いね」


キッパリと言う帽子の男。


「ここには食べ物も飲み物も有る」

「でも敵対者が居るんじゃないの? こんな建物まで立てているんだから

伊達や酔狂でこんな事をしている訳じゃないんでしょ?」

「勘が鋭いな、 ここは対スシブレード用の聖堂だ

スシブレーダー達によって対スシブレード防御力が上がっているという訳だ」


スシブレードを統べるスシブレーダーでスシブレードに対抗する

尤もな理論である。


「外に行けばそんな敵対者に煩わされる事は無くなる」

「外ねぇ・・・でも外の方が敵が多そうな気がするが・・・」

「考えては貰えない?」

「考えてはやるよ、 ここは外に比べて時間の流れが遅い

ゆっくり考えても罰は当たらないだろうし間に合うだろう

数日ゆっくりと考えても良いだろう」

「・・・・・分かったわ、 他にも協力してくれる人が居ないか

呼び込みをしてみる事にするわ」

「おう、 しっかりなー」


外に出るサイ。


「外かぁ・・・外ってどんな風になってんスカ?」


シャークが尋ねる。


「あぁ、 お前はここの生まれだったか」

「まぁそうなりますね・・・」

「外の世界は空が青い、 そして広い」

「空が・・・青い・・・? 薄気味悪いですね」



登場したSCP

SCP-1788 - 大人たち

http://scp-jp.wikidot.com/scp-1788

SCP-2478 - 一般的日本人

http://scp-jp.wikidot.com/scp-2478

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