足元

走り回ってフォーシーズンの攻撃を回避し続けるゴハン。

次々とフォーシーズンが放つ稲荷寿司だがそれぞれ特徴が違うのだ。

加速が異常に早い、 カーブが滑らか、 左右に揺れまくる。

ブレが激しい等、 Oinari3では考えられない挙動をしているのだ。


「なるほど・・・読めたぜ、 お前のスシブレード・・・」

「気が付いたか・・・」

「Oinari3とは違い、 中身が変わっているんだろう?」

「その通り・・・俺の稲荷寿司は中身をそれぞれ入れ替えてカスタマイズしている!!

故に起動性能や旋回力、 攻撃力が変動していると言う訳だ!!

この使い分けの技巧、 習得するには結構かかったぜ!!」

「なるほど・・・その時その時に対して有効なスシブレードを使う・・・強敵だな

気色悪い見た目と違って中々出来るな・・・」

「舐めて貰っては困るぜ・・・後、 この見た目は闇寿司のパワーによって

人体が変異した物だからな」

「だがしかし地の利は此方に有る!!」

「地の利だと?」

「俺の足元を見て見な!!」

「ん・・・?」


ゴハンの足元には先程酒盛りをしていたヤミ・アプレンティス達が!!


「・・・馬鹿かお前?」


フォーシーズンは嘲りを持って返答した。


「そんな連中の事を俺が気にするとでも思っていたのか!?」


倒れているヤミ・アプレンティスを吹き飛ばしながら稲荷寿司が飛んで来る。


「何!?」

「ヤミ・アプレンティスは仲間ではない!! 互いに蹴落とし合う敵なんだよぉ!!」

「仲間意識が無いのか・・・しかし馬鹿め!!」

「あん?」


フォーシーズンが間抜けな声を出す。

そして回転していた稲荷寿司が急にばらけてしまった!!

中身のシラスやら何やらが飛び出す!!


「な、 何だとぉ!?」

「いや、 だから、 俺の足元を見て見な!!」

「な、 何ィ・・・」


フォーシーズンがゴハンの足元を見る。


「くっ・・・一体何が・・・」


今度は注意深く観察する。


「こ、 これは!!」


注意深く見て分かった、 酒瓶の破片!!

この酒瓶の破片の上を稲荷寿司が回転、 そして木っ端微塵!!

何と言う事だ!!


「だ、 だがお前のスシブレードを使えま」


い、 と言い切る前に頭に向かって酒瓶が飛んで来るフォーシーズン。

酒瓶はファーシーズンの頭に激突しフォーシーズンの意識は頭の外に飛んで行ったのだ。


「戦場ではあらゆる物に気を付けなければ生きていけんぞ・・・」


そう言いながら地面で気絶した振りをしていたヤミ・アプレンティスの頭を

蹴とばしてバルド達の後を追うゴハンだった。

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