ビジョン

『巻き添えとは一体? 何か問題でも有るのですか?』




ダークイタマエが尋ねる。




「誤作動による死亡事故が有ったのだ」


『誤作動・・・』


「大き過ぎる分操作性は無いに等しいからな」


『止める時は一体如何するのですか?』


「止まるまで待つしか無いな」


『・・・・・』




頭を抱えるダークイタマエ。




『軽く暴走していませんか?』


「制御して破壊力が低下する事の方が問題だと考える」


『・・・・・』




スシの暗黒卿達は不安になった、 大丈夫なのか、 と




「皆さん、 聊かマイナスのファクターに目をやりがちですがこう考えて下さい」




アソウが語り始めた。




「デメリットの塊ですが我々のみが持つ強大な力


この力を利用しての我々の取れる行動は幅広くなりました


これで他の国も簡単には我々に手出し出来ないでしょう」


『それは如何だろうか、 ベンドゥとやらが拉致された事に関しては如何考える』




バリゾーゴンが口を挟む。




「特に問題は無い、 ベンドゥの補佐が後任になると言う話だ


我々にとってベンドゥ等如何でも良い、 マナ法国の潤沢な食料さえ確保出来れば


マナ法国が如何なろうと知った事では無い」


『人間怖いな・・・』




バリゾーゴンが呟いた。




『というかだな・・・この国が世界の覇権を握ってそれから如何するか


明確なビジョンは有るのか?』


「ビジョン?」


『そうだ』


『ほう、 魔王には明確なビジョンは有ったのか?』




バリゾーゴンの言葉に野次を飛ばすオーモリ。




『・・・・・』


「その通りだ、 明確なビジョンとやらを考えている暇が有れば世界を取るべき


兵は拙速を尊ぶだ」


『・・・それでこれから如何する?』


「ファウンデーション教国に【アポビオーシス】で攻め込む


これでスシブレーダーを壊滅させて我々のみがこの世界のスシブレーダーとなるのだ」


『・・・本当に大丈夫なのかね』




ノーテンがマグロの頭を掻きながら呟く。




「どういう事だ?」


『【アポビオーシス】がこちらに向く事は無いのか?


つまり【アポビオーシス】を動かしている連中が裏切る可能性は?』


「裏切る可能性なんて言っていたら君達を信用出来ないだろう」


『俺達は信用しても良いんじゃないかぁ?』


「私が信用しているのは我が師"闇"の実力のみだ」




断言するシャリーラ13世。




「それは兎も角【アポビオーシス】の指揮官は私を裏切らないさ」


『何故言い切れる?』


「【アポビオーシス】の指揮官は反乱出来る程器の大きい男では無い


さて、 他にはなす事も無いし、 今回の会議はこれにて終わらせようか、 ではまた」

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