脚を喰ってでも生き延びる

サイが議会へと乱入していた頃

バルトはスシブレーダー訓練生にスシブレードを教示していた。

とは言ってもバルトもまだまだ発展途上であるので教えられる事は少ない。

バルトの知識から複数の種類のスシブレードを見繕って

最良の組み合わせを探しているのだった。


「色々と苦労しているな」


ゴハンがやって来る。


「ゴハンさん、 新しいスシブレードの調子は如何ですか?」

「アルティメットマグロよりも扱いは難しいな、 確かに攻撃的だが・・・

まぁ慣れて見せるさ、 それよりも開発部から頼まれていた物を持って来たぞ」


ゴハンが大量の油揚げを持って来る。


「有難うございます!!」

「良く分からないが、 これで如何言うスシブレードを作るんだ?」

「Oinari3と言う防御力が高いスシブレードを作ろうと思います」

「高防御力かハウが好きそうなスシブレードだな」

「だがやはり問題が有りますね」

「あぁ、 件のショーユ、 とか言う奴だろ?」


寿司とは切っても切り離せない物、 醤油、 それがこの世界には無いのだった。

これはスシブレーダーにとっては死活問題である。

ましてやOinari3には醤油は必須である。

闇も醤油が無い事に対しては非常に頭を悩ませていた。


「無いとそんなに問題なのか?」

「えぇ・・・スシには醤油は必須と言っても良いですから・・・」

「そんなもんかなぁ・・・おい、 タコ!! スシブレーダー達の育成は如何だ?」


スシブレーダーの教官と化したオクトパス・レッグに尋ねるゴハン。


「順調っすよ、 ソルジャースシと同等、 いやソルジャースシと違って

スシブレーダー壊されても爆発しないからソルジャースシより強いかも・・・」

「それは心強いな」

「だけどもよぉ、 スシ・アプレンティスと同等に戦えるのは居ないんじゃないかぁ?

やっぱり闇寿司を・・・」

「闇寿司よりも普通のスシブレードの方が強い」


断言するバルト。


「闇寿司は寿司では無い、 正統派に勝てないよ」

「如何だかなぁ」

「そもそも闇寿司って言うのになると

お前みたいなタコ足になったりするんだろ?

正直言ってキモイわ」


ゴハンが断言する。


「タコ足便利だぞ? 吸盤で壁にくっつけるし足で複数のスシブレードを射出出来る

正直に言うと俺がヤミ・アプレンティスの地位に居たのは

タコ足のお陰と言っても良い」

「自慢げに言う台詞じゃないな」

「それはスシブレードを使っているんじゃなくて

スシブレードに使われているんじゃないのかな?」

「かもしれねぇな」


あっさり認めるオクトパス・レッグ。


「だけどよ、 スシブレーダーになる前の俺の人生は控えめに行っても糞だ

どうにもならない人生を変えるにはやっぱり力が必要なんだよ

正道、 良いね、 でも正道を学ぶには時間も金もかかる

そして俺にはそんな余裕は無かったんだよ」

「・・・悲しいね」

「悲しむ余裕すら俺には無かったねぇ・・・

まぁ俺は生きる為なら外道に手を染めようが

仲間を裏切ってアンタ等に情報を売ったり教官をしてやったりしてやるよ」

「節操無いな」

「俺だって生きてぇからな、 死ぬとかゴメンだ」

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