知識、そして覚醒するバルド!!

騎士達と別れたハルト達は禁じられた山に辿り着いた。


「ここが禁じられた山・・・・・なのか?

見た所鉱山にしか見えないんだが・・・」


ゴハンは尋ねた。


「あぁ、 ここだ、 中に入ろう」


そう言ってハルト達は中に入って行った。

禁じられた山の中は何と言うか不思議な感覚がした。


「・・・・・」


始めて来たゴハンとバルトは山の中の様子を不思議そうに見ていた。


「何と言うか・・・神秘的な場所を想像していましたが・・・これは」

「あぁ、 まるで何かの建物の様だ」


走りながら感想を述べるゴハンとバルト。


「元々は何かの施設の跡地、 だったらしい、 私も詳しい事は分からない」

「そうですか・・・」


ハルトは問いに答えた。

迷路の様な場所を超えて目的地にたどり着いた様だ。


「ここだ」

「・・・ここが・・・」


ハルト達の眼の前に広がるのは、 何かの貯蔵庫の様だった。


「ここで本当に神の力が得られるのか?」

「さっきも言ったが完全にランダムだ、 何が起こるか分からない」

「・・・一か八かって奴か」

「今の状況ならば確実に死ぬ、 生き延びられるチャンスが有るのならやりましょう!!」


バルトが強く主張する。


「そうだな・・・じゃあまず私から行こう」


ハルトは貯蔵庫に歩み出した。

一歩、 二歩、 三歩・・・暫く歩いた後にバルトの体は止まった。


「ハルト様?」

「ハルトの旦那? 大丈夫か?」

「・・・・・如何やら私は駄目だった様だ・・・この状況を打開できる知識では無い」


泣きながらハルトは言った。


「泣くこたぁないだろう・・・じゃあ次は誰が行く?」

「私が行きます」


バルトが挙手して進んだ。


「ハルトの旦那、 どんな感じだったんだ?」

「知識が唐突にやって来た・・・そんな感じだ・・・」

「ハルトの旦那は何を知ったんだ?」

「それは・・・」

「!!」


バルトが立ち止まった。


「バルト? 大丈夫か?」

「・・・・・」


バルトは振り返った。


「ハルト様、 これなら勝てます!!」

「!!」

「い、 一体何の知識を得たんだ!?」


ハウが尋ねる。


「あらゆる寿司の歴史と作り方、 そしてスシブレードの扱い方です!!」

「な、 何と!?」

「敵が使うスシブレードの知識だと!?」

「いや、 違います!! 連中の使う闇のスシブレードでは無い!!

正しいスシブレードの知識です!!」

「正しいスシブレードだと!?」


驚愕するハルト達。


「良く分からないが・・・連中にも対抗出来るというのか!?」

「まだ未熟な私で何処まで行けるか分かりませんが・・・やってみます!!」


バルドは決意を込めた瞳でそう言った。


「良く分からないがバルド、 ここに来るソルジャースシ達を倒せるのか?」

「彼等に勝たねば未来は無い、 やるしかないでしょう!!」

「バルド・・・だけど一つだけ言って良いか?」


ゴハンが申し訳なさそうに言う。


「何ですか?」

「スシブレードの知識を持っても肝心のスシが無ければ何の意味も無いだろう・・・」

「・・・今から作ります!!」


バルドは執事、 食事の準備の為の用具一式は揃えていたのだった。


「そうか、 ならば早々に作れ!! ソルジャースシがやって来るぞ!!」

「分かりました!!」


バルトは寿司を作る準備に取り掛かった。

炎の魔石を使い火を起こして米を焚いた。


「米か・・・ソルジャースシのスシも米を使っていたな」

「米、 つまりシャリは寿司の根幹部分です、 重要な所なのです」

「そうか・・・我々は寿司に関しては何も分からない

お前に未来を託すぞバルト!!」

「心しておきます!!」


――――――――――――――――――――――――――


作中に登場して来たSCP

SCP-028 - 知識

http://scp-jp.wikidot.com/scp-028

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る