第11話 異世界人とおっさん
おっさんはステータスを眺めて、
やる気を漲らせていた。
― 渉ステータス ―
志布見 渉(しふみ わたる)
38歳・独身
所在魂:異世界
報酬スキルポイント2,501P
・力:38+501P(539)
※異世界一般住民平均値:65
・体力:38+500P(538)
※異世界一般住民平均値:125
・マナ保有量:1,000+500P(1,500)
※異世界一般住民平均値:350
・魔力:38+500P(538)
※異世界一般住民平均値:60
・身体稼働力:100%+【500P×0.1=50%】(150%)
「ふむ・・・」
渉は顎に指を当てる。
「(身体稼働力・・・健康的な状態を100%とし、死ぬ寸前になると-100%になると女神はいってたな)」
>戦闘力評価ランク:評価不可
「(評価不可かよ。冒険者組合に行けば分かるらしいが・・・)」
所有スキル
・創造スキル(物理)-LV5
-創造可能数5個
「(5個作れるようになったが、おっさんはそこまで並行処理できましぇんw。
まっ、時間がある時創れだな。
石飛礫の形状に特性を持たせて、イメージするのが楽だということは発見したが、石飛礫ばかりだと、楽すぎるからな、そろそろ剣を作るかな肉弾戦あっての異世界満喫だろw 。)」
・魔法付与スキル(人・物)-LV2
付与可能創造数6個
「(これがイマイチ慣れないな。
土と火を混ぜて一種の爆破属性を作るのには成功したが、味方がいる時は巻き込む威力あるし、方向性が足らんから、風属性を組み合わせてみるかな)」
・操作マスタースキル-LV3
操作可能数15個
「(こいつは楽だ、手に触れた物は全て使い方分かるみたいだし、創造した物はもちろん、この世界人が作った物も手に触れた瞬間に使い方をマスターするみたいだしw。
これ、便利すぎw現実世界でも欲しかったな-w。)
「自己開示終了」
――
おっさんの目の前から、文字列が消えた。
「さて、レベル稼ぎ続けますかね・・・って?ありゃ豚か?」
おっさんは戦場を見渡すと密林の奥から、オレンジ色の塊が猛スピードでこっちに走ってきてる。
「なんか、痛そうな見た目やなw」
おっさんが呟くと、おっさんの周りに人気が近寄ってきた。
「あれはオーク改造体だな」
おっさんが振り向くと2人の冒険者らしい格好した人間が剣を片手に立っていた。
「そうみたいですね・・・なんでこんな状況でくるのか、最悪ですね」
一人は屈強そうな身長180cmくらいの茶髮片目隻眼の若者。
もう1人はインテリメガネがよく似合う金髪美女。
「はじめましてかな?俺は渉。あんたらは?」
おっさんは礼節を通し、軽く頭を下げる。
「おっと。はじめまして、俺は赤色勲章持ちのレイガス。こいつは同じく赤色勲章持ちのミルルだ」
「はじめまして、ミルルですー。よろしくね♪」
レイガスとミルルは頭を下げる。
「レイガスとミルルさんですね。よろしく。」
おっさんは頭を下げる。
「ガハハ肩苦しい挨拶はともかく、あんた強いな。
武器は無さそうだが、あの軍団をあんなに倒せる奴はなかなかいないぜ」
「うん、凄かった!あの爆破みたいな攻撃なんなの?」
レイガスとミルルは興奮を隠せない子供のようにおっさんに質問を投げかける。
「まあまあ、落ち着いて。
いっぺんには答えられないからw。
(おそらく、俺の力はこの世界人には強すぎる筈だ、多少設定をしておく方が良いな・・・)
・・・おれは、スキル持ちだ。武器を創り出せる力を持ってる」
異世界からの来訪による問題解決への道のりは険しくも、やりがいがある事だと自分に言い聞かせる渉であった・・・。
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