フィリーのひとりごと
緋那真意
第1話 伝統
古いことは罪なのだろうかと、自問自答するときがある。
時代は絶えず移り変わり、求められるものも変わってくる。
それはいい。求められるものが変わるのは時代の流れであろう。
ただ、そうでないもの、求められていないものは、
古びてしまい、今の時代にそぐわないものは無用の長物なのだろうか。
いや、そう決めつけるのは早計なのではないか?
そのままでは無用に思えるものでも、見方を変えれば使い道を見出すこともできるのではないだろうか。
古くからあるという先入観を捨て、今も日々変わろうとしているものであるならば、今もこれからも通じるものがあるのではないだろうか。
伝統とは、そうした自問自答の繰り返しで生まれたものなのだろう。
もし、何もかもが常に新しいもので埋め尽くされているならば、伝統などという言葉も生まれはしなかったに違いない。
伝統とは古き良き時代の遺物などではない。常に時代の先端であろうと奮闘し続ける人々の積み重ねの象徴なのだ。
先人の積み重ねに甘え、しがみつき、
伝統を正しく理解し、積み重ねを継承し、時代の要請を受け入れてさらに進化させていく姿勢こそ、人々に求められているものなのではないだろうか?
本当に必要なもの、受け入れるべきものこそ継承していきたい。
古いから、新しいから、というのは単に時間の問題に過ぎない。
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