さらさら(第12回お題【髪】)
さらさらとした貴女の髪が憎かった。
天然パーマと小馬鹿にされた私と違って、美しい髪を持った貴女に嫉妬していた。
さらさらとした髪を失って、それでも浮かべた貴女の笑顔が憎かった。
綺麗な見た目で死ぬよりも、少しでも長く一緒に居たいと
笑って言える貴女の心の美しさに嫉妬していた。
さらさらとした灰になり、一人先に逝く貴女のことが憎かった。
きっと何人もの人が、貴女の親友である私に嫉妬していた。
それでも私は、ずっと空位のままだった、貴女の髪を指で優しく撫でられる“恋人”になりたかった。
そんなつもり、貴女はさらさらなかったのに。
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