後日談 ルリスとマリアンナの恋路
前書き
異世界物はその道と思っていらっしゃる方々、長らくお待たせ致しました。
清楚ながらも等身大の彼女等ならこう言う事もするでしょうという読みで、短いながらもその道を執筆してみました。 構成上聡の告白が必要なので重たい一面も有りますが、是非とも挑戦してみて下さいね。
マリアンナ「御主人様、今夜は私達が良いのですね。
……甘えたい気分なのですか♪」
ルリス「マリアンナさん、それも有るとは思いますが、理由でしたら予め教えて頂いているではないですか。 そうですよね、聡様♪」
聡「ルリスさんも正論だけれど、マリアンナお姉ちゃんもその通りだよ」
姫君を立てるメイドとして育った彼女等には特に、僕が恋路から距離を置いていた本当の理由を打ち明けた方が良い。 その方が、美人な二人も自信が持てる訳だし。
マリアンナ「やっぱり、そうだったのですね♪」
ルリス「あらあら、そんなに照れた御顔をして……慈愛の心で、包み込んで差し上げたくなりました♪」
聡「ルリスさん、前から思っていたけれど魅力凄過ぎるよ」
ルリス「クスクス……女性を褒めるのが上手なのですね♪」
彼女は、そうやって僕を褒めると慈愛という言葉が本当に似合う柔和な笑みを浮かべながら、柔らかく頷いておいでと目配せして見せる。
そんな彼女の優しさに安心し切った僕は、少しだけ背伸びをした彼女の胸に抱き寄せられてしまった。
聡「何だか、スノードロップのお姉さんに囲まれた時みたいに、クラクラするよ」
ルリス「御主人様、甘えて下さって可愛いです♪」
マリアンナ「クスクス……愛情や魅力を素直に褒めて下さって、女性冥利に尽きます♪ 御主人様は、本当に女の人に理解が有るのですね!」
女性に理解が有る……か。
聡「そんな風に言ってくれるのは、こちらの世界のお姉ちゃん達だけだよ」
マリアンナ「そうなのですか? 小蔭ちゃんやサニア様にとっては一歩身を引いた良いお兄さんですし、大型種に対しても彼女等の義理を良く理解している様に見えますから、一見万能種にも思えますが」
ルリス「土地柄が変われば好みも変わると言いますし、かの聖女を彷彿とさせる聡様には、この世界の人々との方が合ったのでしょうね。
私達に理解が有るのも、ルミナス様や小蔭ちゃんに接している時の貴男様の感情に、私達の御主人様への愛情と通じる部分が有るからでしょう?」
ルリスさんみたいな本物のロウ・エンジェルにはそう見えるのかも知れないけれど、長らく向こうで生活していた僕には、素直にそうには思えない。
聡「流石にそれは持ち上げ過ぎだけれど、皆の好意は素直に嬉しいよ」
マリアンナ「それでは、この前シャンナさんやルミナス様にしていた様に、おなか抱っこで甘えて下さいね♪ 向こうの世界ではきっと寂しい思いをしていたのでしょうし、貴男はずっとお姉ちゃんの所に居ましょうね♪」
マリアンナお姉ちゃんの愛情は嬉しいけれど、あんまり節操無くしたら女性に失礼だし。
ルリス「確かに、御主人様は愛情に距離を置いていると言いますか……時折どこか寂し気な雰囲気が有りますからね。 折角昔からの恋人と結ばれた訳ですから、私達にももっと甘えて頂きたいです」
これはきっと、あの辺りの事だよね。
勘付かれない様に考えてはいたけれど、彼女等には雰囲気から分かったんだね。
マリアンナ「そうですね。 童心に帰って心から甘えて下さった方が恋人も安心できる事を、この機会に教えて差し上げたいです♪」
ああ……本物の聖女って、こんなに魅力凄いんだ。
今までは目的のためにシェリナさんと距離を取っていたり、僕の言動から向こうの世界を推察する二人と一緒に行動していたから言えなかったけれど、全てが一段落した今なら包容力の有る彼女等には伝えておいた方が良い気がする。
聡「この際だし、お姉ちゃん達なら一筋縄には行かない事にも理解が有ると思うから正直に話すけれど、僕が元居た世界は良くも悪くも打算と差別化でできているから、男女の比率が同じでも一部の権力者や離婚を繰り返す富裕層による実質のハーレムが成立しているという統計も計算の仕方によっては有って、それに便乗する様に動く女性も少なからず居るから、恋心と共に育ったシェリナさんが聞いたら悲しみに暮れそうな不条理も少なからず有ったんだ」
ルリス「通りで……」
無数に有る世界線の一つとは言え、天界から僕等の世界を数回でも見降ろした事の有るルリスさんには、何か思い当たる節が有るのだろうね。
聡「だから、仕事を始める前の若者には恋心は有っても結婚はまだ早いって言う感覚や、初恋は実らないって言う常識が有ったり、二人きりではない時に恋人に愛情を求める事には罪の意識が有る上に、男性が小さい子を好きになるのは例え年が近くて両想いであったり父親と娘の行き過ぎた愛情であっても悪い事という認識が有ったりと、今になって振り返るとドライと言えば聞こえは良いけれど、男女の恋心が必ずしも必要ではない世界観に住んでいたんだ」
自己実現のために生涯独り身を通す女性を優遇しつつ、精霊界や天界育ちの彼女等に合わせて話すと、言い方はあれだけれどこう説明した方が分かり易いよね。
マリアンナ「つまり、聡様が私達以上に愛情深いのは、やはり優しい世界に育ったからではなく、その様な過酷な世界に対する一種の反骨心からだったのですね」
聡「そうかも知れない。 適切な利益の配分や生まれ付きの異なる男女の平等が難しいのは良く分かるけれど、結ばれた男女の愛の結晶である子供に対する虐待や、海外では罪に当たるいじめなんて言うのは、反対されて当然な事だし」
だから僕は、女性的な彼女等が好きな訳だし。
ルリス「虐待とは?
……知らない方が良い事も、その世界には多く有りそうですね」
聡「そう言う事だね」
僕が彼女等に魅力を感じていない様に見えていたら可哀想だから敢えて伝えたけれど、恵まれているこの世界の聖女達には、これ以上の事はそれこそ蛇足だよね。
向こうの世界の異世界物では、ざまあや悪徳令嬢が流行っている事も含めて、人格者な彼女等には知らない方が良い事だろう。
マリアンナ「ですが、私達に魅力が足りない訳ではなくて、安心致しました♪
長らくこちらの世界と恋をしていた御主人様は、さぞかし辛い思いをされていたのでしょうね。 もう、大丈夫ですからね」
ルリス「そうですね。 私が覗いた限りでも、こちらの世界ではお兄さんが好きな女の子はそのまま直ぐに大人になって結婚するのが普通ですし、女性が多い世界では優しい男性が女性に囲まれながら愛されるのは自然な事ですし、貧富の差の少ない世界の中で姫君と結ばれた訳ですから、貴男が何人子供を欲しがっても誰も悲しみはしません。
特に私は、聖母になれる素質を持つロウ・エンジェルなのですから、私の事を気遣って我慢して下さる事にも喜びを感じる様な未熟者ではありますが……いつかは、そう言った事もして下さると嬉しいです♪」
マリアンナ「そう言った行為に悲しみを重ねる様な世界に居たのでしたら抵抗を感じても無理は有りませんが、男女が結ばれて子供ができるという事は、本来とても幸せな事なんですよ。 貴男も、スノードロップの皆さんを見たでしょう?
恥ずかしながら、男性と幸せになりたい気持ちが強いスノードロップの女性は、時には自制が効かなくなる程の性欲を抱えていて、私は出逢いの無い姫君の御付きになるに当たって訓練はしましたが、一人で我慢する内は毎晩寂しさの中で満たされない愛情に
……貴男様とルリスさんは、こんな事を知っても
聡「マリアンナお姉ちゃんも、教えてくれて有難う。
そうなった時は、いつでも僕を頼ってくれて良いからね」
マリアンナ「まあ♪」
聡「この世界に来たのはつい最近だから、女性経験も殆ど無くて未熟だけれど、お姉ちゃんに女性の事を教えて貰えたら僕も嬉しいよ」
マリアンナ「それでは早速、今夜は甘えて頂きますね♪
まずはここに膝枕をして下さいね!」
言葉の割には、全年齢対称な感じだなと思ったのも束の間。
言う通りにした僕の両手は彼女に支えられ、そのまま抵抗できずに先導されてしまう。
マリアンナ「抵抗しないんですね♪」
聡「抵抗する理由が少ないからね。 それに、そもそも力が2倍は違うし」
スノードロップと言ったら弦楽器とオリハルコンランスと考えている間にも、僕の両手は彼女のメイド服の中に連れ込まれてしまった。
これ以上は適度な所でカットしないと、深夜番組とかでも放送できないよ。
ルリス「年頃の女性を本気にさせたんですから……覚悟をして下さいね♪
私達ロウ・エンジェルも、貴男よりよっぽど年下の女の子ですら、年の離れたお姉ちゃんに子供ができて幸せそうにしているのを見ると「あーあ、私も早く優しい人と結婚して赤ちゃん作れたら良いのに」って良く話し合っている位愛情深いんですから、安心して甘えて下さいね♪」
聡「ルリスお姉ちゃんも、魅力凄すぎるよ」
ルリス「……やっと、私の事もお姉ちゃんって呼んで下さいましたね♪」
聡「うん。 マリアンナお姉ちゃんも、体目当てみたいでごめんね」
マリアンナ「御主人様みたいに女性想いな方にそこまで意識して頂けるなんて、私も果報者ですね! でしたら、私が自分でするよりも激しく、色々して下さいね♪」
聡「お姉ちゃん、ごめんね。 ありがとう」
僕は、彼女等の大人びた先導にクラクラしながらも、回復魔法適正な理性で何とか全てが伝えられる本編からログアウトする事に成功した。
この次に裏で何が起こったのかについては、向こうの世界から見たマリアンナさんの尊厳のためにも聞かないでおいて欲しいな。
こう言う流れにはなったけれど、僕も彼女の女性的なイメージを大切にしたいし。
後書き
裏で何が起きたかを想像するのは多くを語れないR15の醍醐味でも有りますよね。
それでも、ルミナスの様に彼におなか抱っこをしていた時のマリアンナさんの両手は側面や後ろにしか届かない事や、ルリスさんは彼女から見て横方向の後ろから彼に抱き着いて耳元で囁くか、お兄ちゃんを慕う小動物風の妹の様に上目遣いで御奉仕するかになっていた事は分かりますよね。
後、マリアンナさんが愛情深さを褒め讃える甘ったるい言葉責めをしながら彼に手伝わせる形での色々し始める事も。
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