第73話 揺れる心 八

 もしかして、恵麻さんと理沙は血が繋がっている?

 恵麻さんは、『理沙の妹さん』なのかな?

…だとしたら、恵麻さんが名字を僕に言わなかったのも頷ける。恵麻さんは僕と理沙のことを知っていて、それで理沙のことを僕に思い出して欲しくなくて、僕に『自分が理沙の妹だ。』ということを隠していたのかな?』

 …理沙からは、『自分に妹がいる。』っていうのを聞いたことはないけど…。』

 さらに和紀は考える。

 『…だったら恵麻さんと理沙が所々似ているっていうのも分かる。何せ、恵麻さんと理沙が姉妹だって言うなら…。

 …でも恵麻さんと理沙が姉妹っていうだけで、しゃべる言葉まで似てくるものなんだろうか?

 …いやいやそれはおかしい。1個1個の発言まで同じっていうのはちょっと…。

 ということは…、そのこと、恵麻さんと理沙の発言が似ているっていうのも、何か理由がある…のかな?』

 その先を和紀は考えようとしたが、そこから先はいくら考えても、答えは出てこない。

 『とにかく、今度恵麻さんに逢ったら訊いてみよう。』

 そこまで考えた和紀は、最終的にそう思うのが精一杯であった。

 またそうしているうちに、恵麻の方から和紀に連絡が入る。

 

 ~和紀さんへ

 今日はありがとうございました! 

 それで今度、和紀さんと一緒に行きたい所があるんです。

 そこで色々、話ができたらなと思います。

 それは―、~

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