第46話 彼女の気持ち 三
「何か恵麻さんの構えって、プロみたいですね!」
「ちょっと、動かないでくださいよ!」
…自分から過去の自分の発言に今の発言を似せるのは、和紀の中に生まれた小さな「謎」を解き明かしたいためか、はたまた恵麻に理沙の面影を感じてしまうためか、またはその両方か…。和紀は、気づいたら自分も過去の「再現」を行っていた。
「はい、チーズ!」
そうやって撮った写真は高校時代の写真にそっくりで、和紀は昔にタイムスリップしてしまったかのような錯覚さえ覚える。
「すごいですね恵麻さん!」
「えへへ。あと私家に写真も印刷できるプリンターと用紙があるんで、今日の写真後であげますね!」
「そっか。本格的ですね…。
ありがとうございます!」
「その代わり、クリスマスプレゼント奮発してくださいよ~!」
「えっと…、」
「もう冗談ですよ!」
そう言って2人は笑うが、和紀の心を強い既視感と、それに伴う理沙を失った寂寥感が襲う。
『…待てよ!?もしかしてこの流れでは…!?』
次の瞬間、和紀はあることを思い出し、全く別の感情に支配された。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます