第38話 幸せな日々 五
「あ、あそこにクリスマス限定パフェがあるよ!
ちょっと並んでるけど大丈夫だよね?」
「もちろん!」
クリスマス期間中、そのテーマパークでは限定スイーツを販売しており、和紀たちはここに来る前、
「できたら食べたいね!」
と話していた。
「まあ、お互い人ごみと待ち時間は平気みたいだし、ね!」
「待ち時間は微妙だけど…。
うん!並ぼ並ぼ!」
その店はパーク内の洞窟のような建物の端にあり、その洞窟の入る所の穴の端っこに長蛇の列が並んでいる。そして理沙は並ぶ直前、
「この洞窟の形、何か変わってて面白いなあ…。
一応写真撮っとくね!」
と言って1枚、また、
「すみません、写真撮ってもらえませんか?」
とスタッフに頼み、和紀との2ショット写真も撮ってもらっていた。
「ああ~何かお腹すいてきたな~!」
その後2人は列に並び、理沙がそう漏らす。
「ハハハ。何か理沙って、正直だね。」
『そういう所もかわいいよ。』そう和紀は言外に込めて言う。
「ちょっと~バカにしてんの?」
そう理沙が冗談っぽく言うと、
「いえいえ。理沙お嬢様をバカにするなんてそんな。」
「やっぱりバカにしてんじゃん!」
そう理沙が怒ったような雰囲気を作り、もちろん冗談で和紀を優しく叩く。
「ちょっと、他にも人がいるからこの辺にしておこっか…。」
「そうだね…。」
そう和紀が指摘すると理沙は恥ずかしそうな様子で黙るのであった。
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