カナリア

 小さな村の小さな鳥籠で

 痩せすぎたこどもが

 私の足を焼き払った

 羽で漕いで私は飛んだ 


 飛び方を知らないから落ちてしまった

 籠は瓦礫に潰された

 足が無いから羽根を休めることができない

 喉がつぶれてあの人達を呼べない

 地に伏せ涙を溢してもあの人達は還らない

 夢にまで見た炭鉱には還らない


 どこかの戦場みたいだった

 誰もが息を止めていた

 私は生きていた

 いつか絵本のような花々が咲く夢を見た

 私にそんな力があるわけないのに

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