アルプス

 ランランラン

 ボーダーに一万尺が見えるかい?

 ほら、手を叩こう

 右が左で左が右だ

 あとの踊り方は覚えてるね?

 おかしいな、向こうの山脈が空気に塗られた絵の具に見えてさ

 ほら、あの子のことを思い出すんだ

 水たまりに山羊の人形が落ちていた

「私の家はどこ? 学校はどこ?」

 抱えた丸太に話しかけてる

 ボーダーの外、風の花、それは高原

 ボーダーの中、氷の砂、それは荒野

 ここにはアルプスなんてないさ

 空色の空に唄ってるあの子は駆けるよ

 ランランラン、ランランラン

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