カラフル

 乳白色のビルの外側の錆びた

 螺旋階段を褪せた革靴で上る

 濡れた踊り場で立ち止まり

 蒼に塗られた缶コーヒーを開ける


 ああ、性に合わない美しき世界


 俺はちっぽけな高さから街を仰ぎ空を見下ろす

 薄く赤らんで薄く緑に

 薄く黄ばんで薄く灰に

 汚物色のコーヒーぶっかける

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る