第38話 新手の予感

体育祭練習は今日で3日目になる。

今日は昨日に引き続き、リレー練習をしていく。

私は運動をテニスを初めて好きになった。

今では運動神経も上がり、自分で言うのはなんだが、クラスの中の女子では速い方だ。


私の結構序盤で走るため、ピストルがなった時から緊張しっぱなしだ……

出番になり、バトンを貰い全力で走る。

途中に春樹の声が聞こえ、練習だが普通じゃ出せないようなスピードで走れた。

息を切らしながら、気づけば春樹を見つめていた。

春樹もこちらに気付き、グッジョブと口パクしながら拳を突き出す。

ああ、走って良かった……

自然とそう思った。


春樹が走り終わり、結果は昨日と同じ3位だった。

それにしても春樹の走ってる姿はカッコイイな……

いや、いつもカッコイイんだけどね……


「七菜美ちゃん〜!何ニヤニヤしてんの?もしかして〜」

「え?嘘!?に、ニヤニヤなんてしてないよ!」


どうやら顔に出ていたらしい。

慌てて誤魔化すが、我ながら動揺しまくりだ。


「まあ、ほどほどにね〜 はよ練習行こ!」

「な、なんの事かな〜?」


今からは自主練習の時間だ。

周りを見渡すと何人か休んでいる人がいた。

ん?うちのクラスの人も休んでる!?

最初の方にこうなるとこれからキツいかも……

だが私の心配は、次の瞬間かき消された。

春樹が村上君と楓ちゃんに何か言って休んでいる人の元に向かう。


「じゃあ、バトン渡しの練習するから走順に並んだくれ〜 春樹がみんな連れてくるからとりあえず春樹達のとこは空けといてくれ」


村上君がみんなにそう伝え、みんなが指示どうりに動き出した。


数分後に休んでいた人の1人が、


「お、俺達も混ぜてくれ……」


そう言って練習に参加した。

おそらく運動があまり好きじゃない人達なんだろう。

普通の人なら放っておくか、一声かけるが反論されて引き下がるだろう……

お互いに何か話していたし、春樹はいろいろ反論されたと思う。

だけど粘り強く話をして、説得して練習を一緒にすることが出来た。

春樹のそういう所が大好きだ。

誰にでも平等に、優しく、明るい。

春樹に惚れ直していると、周りの女子からコソコソこえが聞こえた。


「今井君っていい男だよね。顔はそんなイケメンじゃないけど優しいよね」

「確かに〜優男ナンバーワンだよね!狙っちゃおっかな〜」


顔イケメンだろ!!

いや、そこじゃない。

狙っちゃう?誰が?春樹をだ。

嫌だーー!!

多分春樹に惹かれる女子はどんどん増えていくだろう……

このままじゃ、ヤバい……


「おーい。七菜美?大丈夫か?早く練習するぞ!」

「あ、だ、大丈夫だよ。ゴメンゴメン行こっか!」


考えていたら1人で止まっていたようで、春樹が呼びに来てくれたみたいだ。

春樹が誰かに取られるのは絶対ヤダ!

こうなったらもっと攻めるしか……


私は心の中で、覚悟を決めたのだった……




~あとがき~

七菜美が頑張ります!

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