　弾かれながらも、攻撃用の魔法書を使って、属性竜の後頭部を狙います。

　莫大な金額を使って製作した魔法書ですが、ここで使い切ってしまう覚悟で、五月雨式に攻撃魔法を叩きつけます。

　でいるだけ長く、後頭部の方に防御魔法を展開させて、エマとニカのシンクロ攻撃魔法が効果を表すようにしなければいけません。

　ジョージ様とマルティン様が、負傷を回復魔法の魔法書で癒しつつ、左右の側面から攻撃魔法の魔法書で牽制攻撃します。

　魔法書の攻撃魔法で属性竜を斃せるわけではありませんが、エマとニカの攻撃を悟られないように、二つ目三つ目の防御魔法を展開させようとして、懸命の囮行動なのです。

　イヴァンとダニエルも左右に展開して、囮をかって出ます。

　そこから私のいる後頭部、背部にまわって牽制してくれます。

　私は一息つく事ができました。

　五人で入れ替わって、属性竜の後頭部から前脚の左右から攻撃を繰り返す。

　属性竜の後脚の左右から攻撃を繰り返す。

　合計五つの防御魔法を展開させて、魔力をできるだけ消耗させます。

　私達が牽制している間に、エマとニカのシンクロ攻撃魔法が完成させて、属性竜の左眼に狙いを定めて、一気に叩きつけました。

　斃せたと思ったのですが、属性竜はとても賢かったのです。

　前衛職五人が牽制攻撃している魔法が、属性竜には致命傷にならないと理解したのか、防御魔法をエマとニカの攻撃用に振り向けて、魔法書の攻撃を直接身体に受けたのです。

　今度のエマとニカのシンクロ攻撃魔法は、完全に防がれてしまいました。

　全く通用しません。

　あれほど破壊力のある攻撃でも、全く通用しないのです。

　それどころか、潰したはずの両眼が回復しはじめています。

　このままでは私達が殺されてしまいます。

　そう思ったら身体の奥底から力が湧いてきました。

　意識せずに、属性竜の後頭部に近づき、後頭部に長槍を叩きこんだのです。

　エマとニカのシンクロ攻撃魔法は、やはり素晴らしい攻撃だったのです。

　同時に五つの防御魔法を展開していた属性竜が、私の攻撃に防御魔法を展開できず、身体を捻った回避運動するだけでした。

　残る四人も、属性竜の牙と骨で作った長槍を振るって、一気呵成に攻撃します。

　エマとニカも諦めていません。

　三発目のシンクロ攻撃魔法を準備して魔力を錬っています。

　私は叩きこんだ長槍を属性竜の脳に届かせようと、死力を尽くします。

　槍が壊れても構わないと、魔法書の攻撃魔法を長槍に伝えます。

　なんとしてもこのまま斃し切る！

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