華維瑚録

大和 飛鳥

第1話 出会い

6月29日

明日、登城なんだよ~

どうしよう…

本当に大丈夫?

どこに登城だって?

あの太閤様の居城なのよ。

なんでこんな事になったかは、1週間前の私の奉公する茶屋での出来事なの…

なんだか凄く身分の高そうな方が来たのよ。

お茶と団子を召し上がっていたところに、ちょっと奇妙な事を口走ったり、奇妙な行動をするおトラばあさんがきたの。

私、失礼があってはならないと思って、おトラばあさんの相手をしていたの。

それが、目に留まったらしく、数日後、大阪城に登城するように。ってお達しがきた訳。

声を掛けてくださったのは、あの石田三成さま…

そんな偉い人に声かけてを頂いたんだもの、もう行くっきゃないでしょう?

家の親なんて、

「太閤様に目をかけられて、側室にでもなれ」

なんて言うけど、ムリ、ムリ、絶対にムリ‼

こんな、町娘の身分も低くて、不細工で、なんの取りえもない女はそんな事できないから…


そうだ、私は華。茶屋に奉公しているの。

ごく普通の女の子。

ちょっと自慢できるのは、なぜかしら、学んでもないのに、読み書きができる事なの。

それとね、内緒にしているんだけど、子供の頃の記憶がないの。


そんな事より、私で大丈夫なのかなぁ?


石田さまは

「お前なら、きっとうまくやれる。安心して登城せよ。」

なんておしゃってくださったんだけど、とっても不安…


でも、こうなったからからには、腹をくくって頑張るしかないよね。

今日は、ここまで…

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