001:Happy Halloween
ある秋のことやった。
俺、
新進気鋭の日本画家である俺のツレ、アキちゃんこと
飯なんかケータリングでええわって、アキちゃんは言うたのやけど、せっかくの機会やし、皆さんを心温まる手料理でお迎えしたいなと思ってな、俺は、それはそれは張り切って、インスタ映えするハロウィンのレシピを検索し、
あまりというには、あまりの
味はものすご
自家製の緑色のパンに、
デザートと思って用意した、眼球っぽいミルクゼリーは、作った自分でも引くほど、眼球そのものやった。
普通にゲー出そうやって、
トミ子は用もなく、ちょいちょい来やがる。
どうせ来るなら、俺がこのレシピを検索してた時に来て、全力で止めるべきやった。俺の守護天使やていうんならな。
だがな、トミ子は俺の守護天使やない。アキちゃんのやった。
せやし、あいつはただ笑って去っただけやったのや。
なぜか白い
そんなイカレた
これは絶対に妖怪やろなと思った客が、ただの怖い系の人間やったりもした。話題には気をつけなあかん。
料理はまったく減らんかった。悲しみしかない。
やっぱり虫みたいなの入ってるサンドイッチは気持ち悪かったんやな。
そんな悲しい深夜過ぎ、すっかり客の絶え果てた事務所の一階で、俺はイマイチやったパーティーのひとり反省会をしてた。
食い残された闇色パスタの、指みたいなソーセージをポリポリ食いながらな。
「どないしたんや、
笑いながら、めちゃくちゃ遅れてきた
仮装なんか普段着なんか分からんような
それ一般人が着たらギャグみたいになるやつ?
そやのに、兄やんは美形やから、何故かスタイリッシュに見える。
東京で芸能活動もなさっている
ほんまやったら名だたるセレブとインスタ映えしとる時刻やったやろうに、それを
アキちゃんのおとんの、
兄やんは一応、この事務所の従業員やったはずやけど、来ても一個も働かず、ちょっとしたパーティーの間もずうっと、部屋の一番奥で
椅子が足りへんし、しゃあないなあ言うて、
それを誰が見てても全然平気で、
それで、イヤーン流出ぅ言うて、ハズカシー言うて、でもチューしちゃおう言うて、キャッキャッて言うて、顔真っ赤っかやな言うて、坊々好きぃ言うてな。
お前は酔っ払ってんのか。理性はあるんか。新幹線に置き忘れて降りたんか。今頃、お前の理性だけがボッチで終点・
何をしに来たんやお前は。料理が得意なんやったら、こいつを
なんで俺は自分でやってもうたのか。
後悔しかない。
「そんな暗い顔しんとき。せっかくのパーティーやったのに。
笑顔で言うて、
そして、テーブルにガンガン残っている闇料理の皿を見て、にこにこした。
「
よっぽど腹減ってたんかな。
むしゃむしゃ。
そして、ウグッて
えっ。
青ざめて見る俺の前で、
「なんやこれ⁉︎ 目玉ちゃうやん⁉︎」
ハロウィンの夜やった。
俺は一体、今夜のために、どんな
――完――
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