春へ向かうふたり


 仲良しの女の子は重い病を患い、春を待たずにこの世を去った。ミトラは女の子のお墓のそばを、片時も離れようとしなかった。

 春が来て、お墓の土から小さな芋虫が這い出てきた。ミトラはそれを見てニッコリ笑い、芋虫と共に意気揚々と、花舞う春の野原へ繰り出して行った。

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