第39話

「同じ顔に同じ声……。僕達は本当によく似てる。両親だって分からないくらいなのに、まどかだけは分かってた。小さい時から区別がついてた。

 ……だからちょっと、揶揄ってやるつもりで……ただ本当悪気はなくて……めいっぱいめいっぱい真葛に似せて言い寄って……」


 十朱君は伊能君を見つめて、笑みを浮かべた。


「キスをしたんだ……まどかは全然抵抗しなくて、まるで酔い痴れている様だった。まるで恋人同士がする様な、そんなキスを帰って来た真葛に見られた。呆然とする真葛に、我に返ったまどかは、視線を合わせずに飛び出して……」

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