第701話 圧倒的に/ジャン
主力組の中で戦場に一番に到着したのはアリュナのベルシーアαだった。アリュナはアルミラージを殲滅した敵のエース機三機にまっすぐ向かい、幸か不幸か三機とも揃っているところへと到着した。
英雄や勇太、剣術指南殿なら心配などしないが、アリュナの実力でアルミラージを殲滅したあの三機を一人で相手にするのは危険だと思った。
「アリュナ! その三機とは一人で戦うな! ダフスタルかフィスティナが到着するまで待て!」
「はあん、何言ってんだい。これは全部、私の獲物だよ。それに私は待つのが嫌いなんでね、先にパーティーを始めさせてもらうよ」
そう言うと双剣を抜きはなった。ちょっと雰囲気が変わったか、モニター越しからアリュナの強烈な気迫のようなものを感じる。それはまさしく強者のオーラに感じた。さらにアリュナを止めようと思ったが、その強者のオーラを見て気が変わる。
「アリュナ、無理はするな、倒すのがきつそうなら時間稼ぎに徹しろよ」
「馬鹿言ってんじゃないよ、こんなの倒すのに時間なんかかけやしないよ」
そう言いながらアリュナは迷いのない動きで敵のエース機の一つに近づく。敵は自分の実力を過信している余裕の風貌で、新たに現れた敵を駆除しようと逆に迫ってきた。
一瞬だった── ベルシーアαがスッと掻き消えたかと思った瞬間、敵のエース機の一つの首が飛んだ。さらに遅れて胴体と腕、足部分が切り刻まれ、猛威を振るった敵のエース機はただの鉄くずに替えられた。
それを見て、一瞬で敵に動揺が広がる。しかし、動揺が広がると同時に、アリュナは死と破壊をも振りまいていく。目にもとまらぬ速さと、一撃必殺の攻撃力で、秒で残りのエース機を屠った。
アリュナのあまりの強さに敵は怯み味方は活気づく。一気に周辺の戦況がひっくり返っていく。壊滅的だったアルミラージの生き残りも息を吹き返し、反撃に転じる。
そこへ残りのメンバーったちも続々と到着してくる。フィスティナのエルジャナは、ついてすぐに氷結の魔導撃の大技、コキュートスノヴァを放つ。エルジャナから扇状に放射された強烈な冷気は敵機をパリパリと凍結させていき、凍結した敵機は次々に脆くも崩れ去った。
ダフスタルは威風堂々、強烈な存在感で戦場に姿を現した。そんなダフスタルの乗るインドゥラは剣を振り上げて天に掲げると、それを敵に向けて振り下ろした。天罰にすら見える光の柱が次々に立ち、敵を粉砕していく。
他の強力なメンバーに比べると存在的には地味なジュネージュだが、登場は一番派手だった。ジュネージュの愛機、ファバルバは紅蓮の炎を撒き散らしながら敵軍のど真ん中に着地すると、多数の敵機を炎と風の複合魔導撃、フレイムストームで燃やし切り刻んだ。
主力登場から東方の戦況は圧倒的にこちらに傾いた。安心して見ていられる状況になり、自然と俺の目線は他の戦場へと向いた。
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