第30話 嫉妬から尊敬
「でさ、日和見カーリース東京は?」春香がそう言うと
俺はなぜかとっさに顎と目を右下に下げて、じっとした。
「どうしたの宮平君」彩音は、暗い表情を崩しながらそう言った。
「えーと、内定をいただきました。え、受かりました」俺がそう言うと、
春香は両手で口を抑え、
「お父さんが言っていたんだけれど、同期が主任から課長になったらむかつくけれども、部長になると尊敬の念がおきるんだっって。なんか尊敬しちゃう」彩音がそう言ってから、
「わかるわかる、くそむかつくっていう嫉妬から尊敬に変ちゃった」春香はそう言った。
「じゃあ、乾杯しよ。宮平君が部長になれることを願って」と彩音
「かんぱーい!!」春香がやたらでかい声でそう言った。まるで、嫉妬を押し殺すかのように。
気まずい関係が修復した瞬間だった。ありがとう、春香と彩音、本当に。
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