第6話

「同じ手法?」と僕は言った。

 同じ手法ってまた海に行ってってことかな。

 加奈はつくづく発想が面白い。

「そうです。部室で水着になった私を撮れば」

 部室でやるのか。

 いったい誰がやるのだろう。

「そんなことしたら退学になるわ」

 玲奈はもっともらしいことを言う。

 確かに退学になるな。

「いや、背景をシートで隠して、お面かぶれば大丈夫です」

 加奈はそう言って僕の目を見つめている。

 加奈がやけに真面目にそう言うので、僕としてもどうしようか考える。

 部室で水着姿になる部員たち。

 考えただけで興奮してしまうのは仕方あるまい。

 しかし、確かにその方法ならいけるかもしれない。

「加奈!」と僕は言った。

 僕は頭の中で部員が水着になり、僕の元に多額のお金が舞い込むことを想像した。

「何ですか? 先輩」

 加奈も驚いている。

「今から材料を買いに行くぞ」と僕は言った。

 完全に僕はやる気だった。

「どうなっても知らないわよ」

 玲奈はそう言って鞄を持った。

 あー、帰っちゃうのか。

「試しにやってみますか」

 加奈はどこまでも乗り気だ。

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