夕立

今年初の真夏日 窓ガラス越しに響く蝉たちの声

エアコンが吐く風は この部屋を夏から隔離する


遠くの空から 入道雲が

こちらに近づいてきた 窓を開けろ

夕立の合図だ


突然降り出した雨と 鳴り響く稲妻が

蝉の声かき消し 室外機の音も聞こえない

焼けたアスファルトが濡れていく

グチャグチャのこの思い 気化熱みたいに消えていった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る