鹿の嘆きがきこえる

鹿の嘆き


今朝、車で奈良公園近くを通った。


鹿が歩いている


「なんか痩せてるなぁ」


そう感じた。


小鹿、大人の鹿、どの鹿も小さくみえた。


「もっと丸々していたのに」


奈良公園を歩く人も、ほとんどいない。


鹿の会話が聞こえてきた。


「腹へったなぁ」


「お前、最近やせたんちゃうか」


「お前こそ、ガリガリやん」


「しゃあないやん、中国人けえへんから」


「そやなぁ、鹿せんべい中国人はくれたもんなぁ」


「インバウンドは期待できへん」


「日本人もけえへんやん」


「人間も大変やろけど、鹿も大変やで」


5月末、東京都内で鹿が相次いで目撃されている。

3日午前9時前、東京都足立区の荒川周辺に


「土手に鹿がいる」


と通行人から110番通報があった。

その後、鹿が荒川河川敷にいるのを発見。

同日、警察官らによって捕獲された。

野生の鹿とみられる。


「東京でうろついてた鹿は、捕まったらしいで」


「ホンマか?」


「食べられてしまうんかなぁ?」


「わからんな。山に帰したってほしいなぁ」


「わしらは保護されてるけど、野生の鹿は大変やで」


「そやなぁ、鹿せんべい我慢するわ」


「ちょっと間、鹿も人間もガマン、ガマンやな」


「そのうちに良うなるわ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る