第3話 やばい装備が!

 宝物庫の扉をゆっくりと俺様とサリィーは開いた。 

 そこには5個の宝箱があった。

 俺様は1つ目の宝箱を開けると、

 中からは剣が出てくる。

 

 その剣は青い鞘に入っていた。

 柄は黒色であり、どういう物なのか鑑定をしない限り分からない代物であった。


 とりあえず俺様は腰に帯剣する事にした。

 宝箱2つ目の宝箱には赤いメリケンサックが出てきたので、とりあえず両手に赤いメリケンサックをはめておく。


 宝箱3つ目は弓その物が入っており、矢は無かった。

 よーく観察して、試しに射るポーズを構えると、そこに透明な矢が出現した。

 それを解き放つなり、頑丈な岩石で作られている宝物庫の壁を粉砕してしまったのだ。


「すげー威力だな」

「たぶん、貴方だからだよ」


「そうなのか?」

「恐らくね、ささ、後2つだよ」


 4つ目の宝箱を開けると、

 そこには、大きな袋が入っていた。


「これってなんだ?」

「アイテムボックスよ、この世界ではアイテムボックスは貴重なのよ、冒険者だって荷物運び専門の人を雇うくらいですから、って本に書いてあったわ、とほほ、いつの日か地上に出てみたい」


「俺様が連れだしてやるぜ」

「うん、ありがとう、期待してるわ」


 5つ目の宝箱を開くと、 

 そこには眼鏡が出現する。


「これは鑑定の眼鏡よ」

「すごいのできたなぁ」

「そうよ、この世界では鑑定をする時は毎回冒険者ギルドとかそういう専門のお店に行く必要があるのよ」

「何気に詳しいな」

「と本に書いてあったのよ」


「お前本当に本読んでるのか?」

「悪い? 10万冊読みましたが?」

「あの部屋に10万冊もなかったぞ」

「読み終わったら燃やしてたもの」

「すげーもったいない事してたな」

「全部冒険者の日記みたいな物ばかりだからねぇ」


「いい事を教えてやるお前も冒険者になれるぞ、パニックを覚悟してな」

「うん、あたしは冒険者になるんだから」


「それは応援するぜ、なんだか興奮したら萎えてきた」


 俺様モードから冷静沈着でびくびくの僕モードに移行すると。


「ふわあああ、どうしようかな、弓矢装備するとして、剣も装備だね、あとはメリケンサックもだし、アイテムボックスはどう使えばいいんだろ? 説明書とかないのかな」

「ある訳ないでしょ、アイテムボックスは血を飲ませると、契約成立になるの、そしたら落としてもテレポートさせる事が出来るし、異次元にしまって置く事も出来るのよ


「なるほど、やはり物知りだね」

「ふん、激情に生きるとね、時には冷静になりたいのよ、あなたの僕モードと俺様モードの切り替えのようにね」


「まずやりたい事があるんだ。そのあとにアイテムも鑑定したいんだ。しばらく宝物庫で過ごすけどいいかい?」

「はー早く動きまくって冒険者になりたいのにーー、いいわ、しょうもない話ですからね、そういう時は女の子として待ってあげるわよ」



「なんか支離滅裂な気はするけど、まぁいいや」


 僕はまず自分自身を鑑定するべく、鑑定眼鏡で右手を覗き見た。

 そこには自分自身のステータス表が出現する。

 僕が一番気にしているのは、全てだった。


――――――――――――――――――

名前:リュウケン

職業:モンスターテイマー

サブ:冒険者

レベル122

攻撃力3533

防御力3303

素早さ4500

器用さ2239

知力 1541


スキル 

【乱舞無双】マジックポイントではない力を消費して使う最強の拳無双

【前世最強】前世の力を一部開放

【最強武芸】全ての武芸の達人

――――――――――――――――――


 まず僕は自分自身の体に起こっている変化に気付くべきであった。

 僕のレベルは5であったはずが、今ではレベル122になっている。

 レベル100を超える為に沢山の冒険者達が死に物狂いで経験値を稼いでいるのに、

 ここにいる僕はとんでもない力を手に入れていた。



 恐らくだけど、サリィー・リリという美少女をテイムしてしまった事が原因だろう、

 そもそもサリィーのステータスはどうなっているのか、鑑定眼鏡をかけた目で見る事に。


――――――――――――――――――

名前:サリィー・リリ【憤怒】

職業:サタンドラゴン

サブ:槍術師

レベル8776

攻撃力6766

防御力3221

素早さ8877

器用さ9888

知力 25


スキル

【爆発突き】爆発させながら突き刺す

【爆竜如き】槍を竜のように爆発させながら操る

【爆発の歩み】歩いた後の場所が爆発していく

―――――――――――――――――――


 僕はリアルタイム進行形で、頭を地面に墜落させていた。

 上には上がいる。というかサリィーはなぜ僕の方が弱いのにテイムされてしまったのか?


 そればかりが謎で謎で仕方がなかった。

 つまりあれか、サリィーは僕の事を好きになったとか? 無理無理、小指で殺されそうだよ。


 あれか、デートに遅れたらデコピンで頭蓋骨爆破とかだろ。


 恐ろしいよ。

 そもそもこんなバケモンが後6人もいるんだよな。

 

「サリィー1つ聞いていいか?」

「なぁに?」


「君の知り合い達、つまり後6人はこのダンジョンにいるのかい?」

「んーいるよ」

「みんな忙しくないの?」

「あたしのようにとりあえずぼーとしてたりしてるかな」


「ふう」

 

 僕は今すぐにでも地上に向かって帰りたい、

 この憤怒をテイムしたのは偶然の産物なのかもしれない、 

 だが俺様が目覚めようとしている。

 まずいこのままではポジティブシンキングにいいいいいい。


「ふ、サリィー今から武器達を鑑定するぜ」

「おおおお、いつものリュウケンになったね、あたしはどちらかというとこっちのリュウケンの方が好きだぁああ」


「ふふ、火傷するぜ俺様に恋をしたら、そういう時は音楽に合わせてダンスでもするのがいいぜ」

「なんだかいつも以上にワイルドだね」


「ふふ、それが男というものさ、レベルを見てしまったら俺様はとてつもなくルッキンルッキンさね、さてかわいこちゃん俺様は鑑定眼鏡を発動するぜ、つーかこれ見た物を勝手に全部鑑定されてるし。なんかハイテクだぞ」


 まず最初に鑑定したのは、剣だ。青い鞘に入った黒い柄の剣。

 それを見ると次のようなものが表示された。


【水竜神の剣】レベル1:水竜神が鍛えたとされる伝説の剣

【武神のメリケンサック】レベル1:武術の達人が使っていたとされるメリケンサック

【馬神の弓】レベル1:伝説のケンタウロスが使っていたとされる弓矢であり、無限に矢を召喚する事が出来る



「ふははっはははははははっは」


「ど、どうしたのリュウケン!」


「いや、面白くてな、スキルで最強になっているのに、これほどまでの武器を手に入れる事が出来た。もはや俺様は無敵じゃねーか、これをチートと呼ぶべくしてチートだなこれは」


「言っている事が支離滅裂だよリュウケン君」


「うむ、リュウケン君ともっと呼んでくれたまえ」

「リュウケン君、そろそろ行こうよ」


「そうだな、ふはははははは、どんと構えてなさい、それとこのレベル1とはどういう」


「すごい武器にはレベルが宿り、レベルが5になる度に進化を辿って行くのよ」


「なるほど、それはすごいなぁ」


 そして俺様達は朝日を拝む為ではなく、

 このゴミダンジョンを攻略するべく立ち向かう、

 そしてあの4人の元仲間達をぎゃふんと言わせる事が目的であったのだ。

 だがどんどんと目的がずれて行くのは仕方のない事だと。

 この時の俺様はにやりとつい笑っていて、

 もうすでに道から逸れていました。


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