第三十五章 今年の夏休み一人じゃない! 美女五人つまりはハーレム!?
第415話 いざ、出発 go to Shinkansen
最後は荷物持ちをさせられた数日前。
あの時は正直美紀の機嫌が良かったり悪かったりと鈍感な男にとってはある意味大変な一日であった。
だが、それは過去の話。
今は違う。
なぜならあれから時が経ち、ようやく蓮見の願う日が今日やって来たのだ。
それともう一つ。
先日運営から「特別招待状」を持つプレイヤー各位に送られたメッセージにある特殊クエストが開始される日と蓮見達にとってはリアルでもゲームの中でも大忙しの日となったのだった。ちなみに特殊クエストは夜からなので昼は当然海。と決めているのだが、残念ながら夜以前にまだお昼にもなっていない。
つまり、現在は午前十一時――新幹線の中。
と言うのが、蓮見、美紀、エリカ、七瀬、瑠香そして朱音の現在の状況である。
六人は新幹線の座席を向かい合わせにし、三人と母娘と言う形で向かいあって会話に慎んでいた。
「今さらだけどお母さんその服装……」
「ん?」
「いや、若々し過ぎない? それにさっきからブラ見えてるんだけど?」
「それはアンタが隣から顔を近づけて上から覗きこんでるからでしょ?」
七瀬は実の母親相手でも中身が親父なのか気になるご様子。
そんな会話をしている間に瑠香は瑠香で顔を近づけて首元からチラッと朱音の下着を確認していた。
「わぁー、今日の派手だね」
その言葉に朱音がサッと両手で胸を隠す。
流石に恥ずかしかったらしい。
「余計な事は言わない。てか瑠香、アンタも女の子なんだからバカ姉見習うんじゃなくて少しはそうゆうの控えなさい」
「はーい」
気にしてないのか、聞く耳持たずで瑠香が適当に返事をする。
それを見てやれやれと顔を横に振る朱音。
「美紀は水着買ったの?」
「うん! エリカも?」
「えぇ! 今日の為に可愛いの買ったわ。後で見せてあげるわ」
「ふふっ、私も負けてないわよ! 後でエリカにも見せてあげる」
「そう? それは楽しみね。ってことは美紀?」
「なに?」
「また大きくなったんですか?」
ここで瑠香が美紀とエリカに乱入と同時に先ほど朱音に言われた言葉を全力で無視する行動に出た。
「……むむむっ。確かにあの時より成長してま――」
――ドンッ!
「だから揉まないでよ! 特に蓮見の前では!」
「いててっ、はい、ごめんなさい。女だけの時にします……」
頭にげんこつを貰った瑠香は反省の素振りは見せず舌をだして謝った。
「あらあら、瑠香ったら」
「えへへ~」
「七瀬は水着買ったの?」
「はい。瑠香と一緒にお揃いの買いましたよ」
「二人は本当に仲良しなのね」
「まぁ、姉妹ですから。ね? 瑠香」
「そうだね、お姉ちゃん!」
そんな愉快な会話の中一人ずっと黙っている者がいた。
「…………」
蓮見は一人真剣に考えていた。
目の前に下着が見えそうで見えない服装の朱音がいるのだ。
足を組み替える度に、
その……、
なんだ……、
ミニスカートの奥が……見えそうなのだ。
これは朱音からの誘惑か?
なら見てもいいのか?
そう考え、さっきからチラチラと視線を向けているのだが見えない。
視線を少し上に向ければ薄着の服がほんの少し膨らみを帯びているようにも見えなくもないようなだけどそれがまたえろさをかきだててる胸元が目に入ってくる。下着のラインははっきりと見え、紐の部分はどうやら黒色……じゃなくてこちらを誘惑しからかうように小悪魔的のような微笑みを向けてくる朱音がいた。
年齢は三十代のはずなのに他の美女軍団に負けず劣らずの容姿は蓮見には刺激が強すぎる。上は上で少し首元が緩くオープンな感じがする服を着ており上も下も見えそうで見えない状況に蓮見は心の中で一人苦しんでいた。
見たいのに見えない。
見えそうで見えない。
だけどもう少し頑張れば見えそう。
そのため蓮見は一人無言で色々と頑張っていた。
そう周囲の女の子達にはバレないように。
蓮見は三列シートの真ん中に座り、右横に美紀、左横にエリカ、正面に朱音、後は美紀の正面に七瀬、エリカの正面に瑠香、このような配置だ。
なので一歩間違えば逃げ道がない地獄が待っているのだが、悪いのは誘惑してくる朱音だと思う事で自らの行動を正当化していた。
なにより瑠香の発言から蓮見はこれだけは確信していた……男として見ないと損する……と。
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