世界観設定・用語集その1 土地・種族・政治制度

【土地】

・オーゲン地方

 物語の舞台。実り豊かな地であり、かつては人間たちの王国があった。現在は大魔皇帝とその弟たちによって支配され、人間たちは南北へ逃れていった。


・シン国

 大魔皇帝の統治する国家。弟たちの四王国もシン国の領土の一部とみなすことができる。国都はカンヨウ。


・四王国

 大魔皇帝の弟たちが封国された諸侯国。北中部にギ国、北東部にエン国、東部にセイ国、南部にソ国がある。


【種族】

・人間

 かつてオーゲン地方を支配していた種族。魔術を扱うことができず寿命も数十年程度である。長命種からすると「繁殖力が強くどんどん子を産んで増える」との評判。

 創世の神であるジョカとフッキが泥から生み出した存在である。

 オーゲン地方を追われてからは、高度な文明と強力な軍隊を備えた魔族によってその生存圏を削り取られ続けているか弱き存在に成り下がってしまった。トモエはそのような中で生まれ落ちた。


・魔族

 現在のオーゲン地方を支配する種族。魔術を操る長命種族。人間が作られた際に余って捨てられた泥が空気中のマナに触れた結果生まれたとされる。プライドの高い彼らはそうした発生経緯をコンプレックスに感じており、それが人間に対する憎しみをより強めている。

 魔族の国家は官僚制度や学校制度、技術などあらゆる分野で高度な社会を築き上げてきた。特に肉体労働は後述する傀儡兵によってほぼ全て置き換えられたといってよい。しかし他種族を認めない残虐性も同時に持っており、彼らにとって他種族とは戦い滅ぼす対象でしかない。

 長命種族であるが故に繁殖能力は鈍く、支配圏の広さに対して人口は少なめである。


・妖精族

 エン国とギ国の間にあるエルフの森に住む長命種族。魔術を扱うエルフと膂力に長け優れた武器を製造するドワーフの二種が現在確認されている。エルフは長い耳(所謂エルフ耳である)をした美男美女が多く、ドワーフは背が低く精悍で厳めしい風貌の者が多い。

 エルフは警戒心が強く、ドワーフは荒っぽい性格の者が多い。いずれも余所者には厳しく、本来は積極的に外界と交わろうとしない。しかし、その風潮は少しずつ変わりつつある。

 かつては伸長する魔族に対抗するため人間たちと緩やかな連帯関係を結んでいたが、人間の王国であるシュウ王国に現れた暴君がエルフの森に出兵したため両者の関係は破壊されてしまった。巡り巡って現代、エン国とギ国の間を塞ぐ位置取りが災いし、エン国ギ国から攻められ森の南半分が消失してしまった。このことに危機感を覚えた一部のエルフが人間と再び手を組むに至った。

 彼らは典型的な村落社会を形成しており、森全体に統一した政治体制は存在しない。しかし森には大賢者なる存在がおり、緩やかに森の諸村落をまとめている。

 かつてエン国とギ国に攻められた際には、視界の悪い森に敵を誘いこんだ上で膂力に優れるドワーフたちが傀儡兵襲い掛かり撃退したのであるが、その敗戦から学んだエン国とギ国は油壺を投石機で森に投げ込み火をかける火攻めを敢行して逆に森からドワーフたちを誘い出し、その上で近接戦闘を避けて弩や床弩による射撃で迎え撃つことで森とそこに住む妖精族たちに甚大な被害を与えた。


【政治・官僚制度】

・三公

 魔族国家における三種類の高位の官職。大魔皇帝と国王以外の魔族が昇ることのできる最高位である。官吏のトップであり国王に次ぐ国家のナンバー2である「丞相」、国王の側近筆頭で政策立案などを行う「御史大夫」、軍事を司る「大司馬」からなる。エン国では丞相が名誉職に近い扱いとなっており、御史大夫スウエンと大司馬ガクキが実権を掌握していた。

 人口の少ない魔族国家においては文官と武官の区別は若干曖昧な所があり、文官であるスウエンがエルフの森侵攻の総大将に任命されたりもした。


・衛尉

 宮殿の門の守衛部隊を統括する司令官であり、高位の武官職。エン国ではシンブヨウが務めていた。


・州刺史

 シン国の直轄地における行政区分である「州」の行政長官。国王を失ったエン国がエン州としてシン国の直轄地に編入された際にガクキが任命された。

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