第104話
とりあえず無事?巨大な魚……と言うか魚竜が釣れたところで、いい加減ご飯にしようと急ぎBBQ広場へと戻った俺たちは、釣り上げた魚竜をマーシーに渡し、夕飯の準備に取り掛かった。
ちなみにあの巨大な魚竜だけど、マーシー曰く食えるらしい。
と言うか食えない生物はこの湖には居ないそうだ。
……魚じゃなくて生物と言ったあたりに一抹の不安を感じるが、ここはあくまでBBQ広場なので……そこまでぶっ飛んだのは出てこないと思いたい。
魚竜の時点で大概なんですけどねっ。
てか、こんな珍しい?生き物食っていいのかって疑問があるけど、一杯居るので問題ないらしい……増やせたりも出来るぽいし。
まあ……まあ、うん、ダンジョンだからね!
それ納得しておこうと思います。
「夜釣りも行くんすか?」
「いや……またこんなのが掛かったらと思うと、夜はさすがにな……やるなら早朝だろう」
夜釣りに行くのかと言う質問に、目の前で焼かれるそれを指さしそう答える太田さん。
焼かれているのは魚竜の前足?前ヒレ?の部分である。
味は魚と鳥と牛を足して3で割った様な味である。歯応えが結構あって中々いけると思う。
量が半端ないけど、骨が多くて可食部分は少ないので、たぶん食い切れるとは思う。
……元の姿を想像するとちょっと食い辛いけど。
とまあ、この湖にこんな生物がいると分かった以上、真っ暗な中で釣りをするのはかなり勇気がいるだろう。
ぶっちゃけ俺は行きたくない。
水の中に落ちたりしたら……トラウマになりそうだ。
そんな訳で、夜釣りはしないと言うことで、夕飯を食べ終わった後は皆でテントに向かい、眠気に負けるまでトランプして過ごしたのであった。
そして翌朝。
朝の釣りも終わったところで朝食タイムである。
ちなみに釣りの方は、そこそこの大物が釣れたので結果は上々である。
昨日の魚竜も出なかったしね……代わりに巨大なカエルが居たけどさ。
さすがにカエルが出るとは思わなくて、助けに入るのが遅れちゃって……太田さんがちょっと上半身粘液まみれになったけど、怪我は無かったのでセーフである。
カエルは太田さんを吐き出させようと、腹に思いっきり蹴りを入れたらそれだけで倒せたので、でかいだけでそんなに強い訳じゃーなかった。
……あ、さすがにカエルは食べないからね?死体は放置しておいたら他の生き物が食べていたので、湖が汚染さりたりーとかは無いと思う。
で、それを見て、俺たちは逃げ帰るように広場へと戻ったと言う訳である。
なんで逃げ帰った?かと言うと、カエルを食べていた生き物のサイズがおかしかった。
明らかに船よりでかいし、あれは釣る対象と言うよりは討伐する対象のような気がする。
ちょっとこの湖怖すぎんよー。
あ、朝食だけど、昨日釣っておいたウナギで鰻丼にしたよ。
もちろん作ったのはマーシーです。
さすがに太田さんもウナギを上手く捌いて焼く自信はなかったらしい。
「鰻丼ひさしぶりだー」
「夏だしちょーどよかったりねえ」
ちなみにこのBBQ広場はダンジョンの外とリンクしているらしく、外が夜なら暗く。朝なら明るくなる。
気温なんかもたぶんリンクしていると思う。
BBQ広場を利用し始めた当初よりも気温が上がっているし、たぶん間違いない。
冬になったら凍える寒さになるけど、悪いことだけではない、ワカサギ釣りも出来るかもだしね。
それに寒い中、火をおこして暖を取りながらご飯ってのも、何か良いなーって思うのですよ。
今は夏なのでウナギが美味しいです。
「っ……んがっ」
「はい、水っす」
「旨い鰻だな」
「いやー!朝から豪勢だね!」
鰻丼はめっちゃ美味しかった。
ひさしぶりに食ったから余計だね。
それにこの鰻丼が特別美味しいってのもあると思う。
みんなかなりがっついて食ってるし、てか太田さんもがっつり食ってるな。メンタル鋼だなこの人。
「カジカも美味しいねー」
「汁物にすると抜群にうまい」
「私もちょっと頂こうかな!」
カジカは鍋にしたが……鍋と言うよりかは味噌汁扱いになってるね。
こっちも抜群に美味しい。
……あれ?
「うん……うん?アマツさん!?」
「やー、ご飯頂いているよ!」
何時の間にかアマツさんが混ざってた。
お偉いさんとのお話終わったんだろうか?
「あ、じゃあ一反終了したんですか」
「うん、第一回がだけどね。まだ何度もやるし、その内、他の二国も一緒にだそうだよ……いやー、タフだねぇ彼ら」
ついさっき、やっと話し合いが終わったらしい……が、終わったのは第一回でこれから何度も話し合いをするらしい。しかもそこに他の二国も追加されるそうな。ってことはイギリスもアメリカも首相達が頑張るんかねえ。アメリカとか銃もってひゃっはーしそうだけど、ちゃんと近接でやれよーって伝えてあるんかしら。っと、俺が心配するような事でもないか、当然やっているだろうし。
しかし……首相達もタフだけど、アマツもタフだと思うぞ。もっと食べると良いのです。
「話し合いはどうでした?」
「ああ、一般開放に向けて動くそうだよ、安心すると良い」
結果について気になったので、聞いてみたけど……一般開放に向けて動くそうで、良かった良かった。
「明日からまた気合い入れて攻略していかんとなあ」
「今週中には次の階層いきたいねー」
開放が何時になるかはまだ分からないけれど、それまでに出来るだけ進んでおきたいのだろう。
隊員さん達のやる気がどんどこ上がってそうだ。
……あ、次の階層と言えば。
「あ、そうだ。次の階層ですけど」
たぶん、初回は俺も一緒に行くだろうけど、もしかすると一緒じゃない可能性もあるし、次の階層の注意点を伝えておこう。
「なるほど、遠距離攻撃か……」
注意すべき点はそんなに無いんだけどね、遠距離攻撃してくる奴が居るんで、そこは気を付けないとぶっすりやられそうだからねえ。
「やっかいっすね」
「盾があれば何とかなるだろう」
「ありがとう。他の隊員とも情報共有させて貰う」
よしよし。
とりあえず情報共有しておけば、出合頭に額を撃ち抜かれる……なんて事は起きないだろう。
俺も隊員さん達に追いつかれないように、気合いれて攻略進めないとなー。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます