第25話
ポイントはかなりたまったけれど足りるか分からない。
武器と防具どっちを優先するか? 言ったらやっぱ防具かな。
爪と牙だけじゃその内限界がくるだろうから、武器も必須ではあるのだけどね。
まあ、とりあえず防具を見てみよう。
ポイント余ったら武器も買えばいいし。
そう思い購入の画面に行ってざーっと防具を眺めていたのだけど……。
「どれがいいかなー? まずは防具から見て……防具、か……ら?」
なんか変なのあるんですけど。
「あの、これって」
画面を指さして思わずアマツに聞いてしまった。
俺の指先にあるのは……蛙の着ぐるみ(猫用)だった。
こんのおかしいよっ。
「この世界にはペット用の服がもうあるみたいだったからね、それを参考にしてみたんだよ。 どうだい?」
「んう゛っ……い、いいと思います」
「あっははは! そうだろう?」
変な声出たわ。
すんごい良い笑顔で言われると本音は言えない……。
くそ、これどっかで見たことあると思ったら、ペットショップだわ。
よく見たら他のも全部変なのばっかじゃん!
ふりふりドレスとか、タキシードとか、なんだよケルベロスって! クロは猫だぞっ!?
いかん……落ち着け、落ち着くんだ俺。
まだ他にもある、全部見たわけじゃ無いんだ。 中にはちゃんと防具っぽいものが…………あ、あった! あったぞ!
「こ、これだ! これなら……一式25000ポイント??」
ポイントたけぇっ!?
ためたポイント半分持ってくとかどんだけ。
でも、これはちゃんと見た目が防具っぽいんだよな……あれだ、某モンスター狩っちゃうゲームのお供が着ている服、あんな感じだ。
二足か四足かの違いはあれど似合うのは間違いないだろう。
もうこれ買うしか無い。
でもお高い……これ、こいつだけが高いのか? もしかしてさっきの蛙とかは安いのだろうか?
「ど、どれもお高い」
そう思いちょっとスクロールバーを戻してみると……蛙もふりふりドレスとかも全部同じ値段だった。まじかい。
「いやー、何せ装備だからねえ。 ちゃんと実用出来ないとダメでしょ? だからどうしても要求ポイントが高くなっちゃうんだよ」
「なるほど……よし、これ買います!」
見た目はあれだけどちゃんと防具として機能すると。
なら見た目だけで選んで問題ないなっ。
さっきの一番防具っぽいやつ買っちゃおう。
俺はアマツに買うと宣言し、決定をぽちっとさわる。
すると俺の前の前にちょっと大きめの箱が現れ……ポイントが一気に半分になった。
猫部屋は遠のいたけれど、ポイントはまた貯めればいいし。なによりこれでクロの安全は確保出来たのがでかい。
「じゃあ次は武器だね……と言ってもそっちは2つしか用意できてないんだけどね」
おや、防具はこんなに多いのに。
それだけすごいの用意したってことかな?
「あら? 腕輪と首輪……ぶ、武器だよね?」
すごいの……?
何で武器の欄に腕輪と首輪が……?これどっちか言うと防具とかのカテゴリーな気が。
「武器だよ。 それをつけると巨大な爪と牙の形をした力場が発生するようになってね、猫の爪と牙じゃ不利な相手にも戦える様になるよ」
「すっご……ポイントもすっご」
何かむっちゃすごい武器だった。
あれでしょ、手とかぶんって振ったら触れてもいないのに、スパッと切れるやつでしょ。
ちょっぴり羨ましいぞっ。
てか、これもポイントがやべえ。
2個で15000だと……?
「買わないの?」
「買います」
買うに決まってるじゃない。
合計40000かー、高かったけれどこれでクロの装備が揃ったね。
あとはチュートリアルクリアしてカードをスロットにぐさっとやれば完璧かな。
あ、いやまだ改造が残ってたか。
いやー……ポイントかっつかつだねえ。
もっと深いところまで潜ればそうでもないのかなー……。
と、言った感じで買い物も終わったし、今後のことについてちょいと妄想していたのだけどね。
「じゃ、最後はアクセサリーだね」
「アクセサリー……ヘアピンとかですか? あれって防御力無いような……」
まだ何か用意していたらしい。
でもアクセサリーってヘアピンとかそんなんで、防御力とか皆無だった気がしたけれど……?
「盾とか持てない分やっぱ不利だからね、それを補うのにペット用アクセサリーだけカードスロットがあるよ。あ、人間がつけてもカードスロット使えないから気を付けて」
「あ、なるほど」
そう言うことかっ!
レベルが上がればカードスロットも増えるし、これは絶対あったほうが良いね。
カード使えるのはクロがチュートリアル突破してからになるけれど、これは買いだね。
ちなみにどんなアクセサリーあるのかな?
と、画面をすくろーるしていったのだけど、とんでもない物を見つけてしまった。
「……んん!? ね、猫の尻尾???」
「あ、それはお勧めだよ。 猫又って尻尾が2本の猫がいるって聞いてね、作って見たんだ。 特殊効果も悪くないよ?」
尻尾だ!
てか特殊効果って何……? 弱点看破とか書いてあるんですけどっ!?
……いや、それはいい。それよりもだ。 これをつけるとクロの尻尾が増えるってこと??
俺がつけたら尻尾が生えるってことか!??
クロとペアルックに出来るじゃないかっ。
「か、かかか買います! 2個買います!」
2個ください!
「残念。 ポイント足らないから買えるのは一つだけだね」
「ああああぁぁ!?」
1個10000ポイントだぁぁあああ……。
足らない、ゴブリン2000匹分足らない。
「……50000ポイントためたのにぃ……無念」
「それじゃまた作業に戻るよ。 頑張ってね!」
俺が両手を床について項垂れていると、アマツはすっごい笑顔で去って行った。
ちくせう。
またゴブリンに犠牲になって貰うか……。
「……戻るか」
とりあえずクロに装備渡さないと。
あ……アマツに色々聞きたい事があったんだけど……クロのチュートリアル終わってからでいっか。
ゲートを潜るとクロがにゃーにゃー言いながら近寄ってきた。
「クロの装備手に入ったよー」
クロは箱が気になるらしく、しきりに匂いを嗅いでいる。
「ほら、これだよ」
そういって箱を開けて中を見せるがクロは匂いを嗅ぎ続けている……中身よりも箱に興味が有るらしい。 入りたいのかな?
「……これだよ?」
とりあえず箱から中身を取り出して、クロの前に並べてみる。
さすがに目の前に置かれるとそっちに興味が行くらしく、クロは装備をじっと見つめて、前足でそっと突いて……え、お前本気で言ってるの? みたいな顔で俺を見てきた。
そうだよね!
人間で言ったらダンジョン用の装備だよってコスプレ衣装を渡される様なもんだし!
「まった、気持ちは分かるけど! これ見ためはとにかくちゃんと防御力あるからっ!」
そう俺が必死にクロを説得すると、渋々……ほんっとに渋々と言った感じで装備を身につけてくれた。
……まあ、俺が着せたんですけどね。
装備はかなり似合っていた。かなり可愛い。
なんつーか思いっきり某ゲームのお供だねこれ。この状態で駆け寄ってこられたら悶え死ぬ自身がある。
まあ、俺の反応は上々だったんですけどね。
問題はクロの反応でして。
「クロがやさぐれてしまった……」
すんごいムスッとした表情でこっち見てる。
無言なのがまた……いいね。 とか言ったら噛まれそうだな。
……クロには悪いけれど我慢して貰うっきゃない。
クロも装備は重要だと分かっているので、ムスッとはしていても脱ぎだしたりはしないのだ。
さて。あとはおたのし……じゃなくて、これも重要な装備のアクセサリーをつけないとだ。
「これどうやっつけるんだ……? クロちょっといいかい」
尻尾なんだけどね、どうやって着けるのか分からん。
こうクリップ的な物で止めるのかなーと思ったけれど、そう言った物は一切無い。
とりあえずクロのお尻に押し当ててみよう。
ぴとって着いたら良いなーっと。
「ぴとっと……おう、まじでついた」
着いたわ。
まさかそれで本当に着くとはねえ。
クロも増えた尻尾を不思議そうにクネクネと動かしている。
……まって動いてる!??
「ちょっ、それ動くの!?」
俺の問いににゃあと応え、尻尾をさらに動かして診せるクロ。
やべえぇぇえ。何この高性能なアクセサリー。無茶苦茶欲しいんだけどっ!?
こうしちゃ居られん! さっそく狩ってポイント貯めないとだっ。
「いよっし! じゃあ、ならしも兼ねて1階からいこうか?」
勿論いきなり奥に突っ込んだりはしないよっ。
クロも戦闘は久しぶりだし、慣らしていかないとだからね。
さあ、狩るぞー!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます